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「子ども」に認められる権利とその制限

「子ども」に認められる権利とその制限

子どもの権利

子どもは、当然、その権利の性質に反しない限り、大人と同様の権利を持ちます。

なお、ここでは当然と書きましたが、かつては子どもの権利が正面から認められていない時代もありました。

細かくその歴史を追うと、長くなりますので、長い歴史の中で子どもの権利は確立されてきた(そして現在もなお確立されている途中なんだ)ということだけ頭に置いておいてもらえればと思います。

子どもの制約

さて、話を戻します。
子どもは大人と同じ権利を、基本的には持ちます。
ただし、子どもであることを理由に特別の制約を受ける権利も存在します。

例えば、飲酒。
飲酒することも人として有する立派な権利です。
しかし、未成年者飲酒禁止法で、国は20歳未満の者の飲酒を禁止しています。
なぜこんな制限が許されるのでしょうか。

あるいは、ドナーカード。
死亡(脳死も含みます)した後、自身の臓器を提供してもいいという意思を示すカードです。
自分のことを自分で決める権利、これも当然に人として有する権利です。
自己決定権というやつです。
ただ、臓器の移植に関する法律は、臓器提供意思を示す年齢の下限を明記していませんが、厚生労働省のガイドラインで「15歳以上の者の意思表示を有効なものとして取り扱う。」とされています。
すなわち、15歳未満の子どもは、ドナーカードを自らの意思で作成しても、その意思が当然に反映されることはない、自己決定権を制限されているのです。
(例外要件や遺族の拒否権などもありますが、ここまで突っ込むと話が長くなるのでやめます。)

このように、子どもは、子どもはその判断能力等が未熟な存在だったり、将来の成長を期待される存在だったりするわけですので、それ故に大人であれば当然に有する権利を制限される場合があります。
これをパターナリスティックな制約と言ったりします。

何はともあれ本稿では、保護というと強靭な権利を与えるイメージを持ちがちだけど、法律上の保護は、その者の権利を制限することが多々あるんだということを理解してもらえれば十分です。

この記事の監修者

大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
子どもに認められる権利の事なら、どんな些細なことでもかまいませんので、一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。