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学校の授業で動画を活用したい!メリットや動画使用時の注意点とは

学校の授業動画

学校現場でタブレットが導入されるようになり、授業などで動画に触れる機会が増えました。

授業の際に動画を参考にしたり、授業動画を撮影していつでも見返すことができるようにするなど、様々な活用法があります。

学校現場で効率よく多くの情報を入手できるようになったなか、以下のような点に頭を悩ませている教員が増えています。

  • この動画使用は著作権や肖像権の侵害に該当しないのか?
  • 授業動画はどのような点に気を付けながら作成・投稿すれば良いのか?

今回は、学校で動画を活用する際の問題をはじめ、学校で授業動画を活用するメリット、動画を使用する際の注意点などについてまとめました。

学校の授業で動画などの著作物を活用することはできる?

動画と著作権

学校での授業の際に、動画を活用することができると児童や生徒によりわかりやすく内容を伝えることができます。

子どもたちは視覚・聴覚から刺激を受けることで記憶が定着しやすく理解が深まるでしょう。

では、学校の授業では動画などの著作物を活用しても良いのでしょうか?

一定の要件を満たす場合は動画使用ができる

学校の授業で動画を利用するとき、一定の要件を満たす場合において活用することができます。

動画の著作権者の許諾を得ることができれば流すことは可能であり、学校の授業で利用するという目的であれば一定の範囲内で流すことができるとしています。

録画したテレビ番組を授業で流すことは、著作権法35条2項において認められているのです。

一方、著作権者の利益を不当に害することになるケースにおいては認められません。

著作権者の利益を不当に害するとは、例えば学校で録画した動画を保管し、授業ではないときに生徒に見せるといった場合においては著作権法の範囲を超えるとしています。

授業中にインターネット上の動画サイトから動画を流すことは可能

著作権法35条2項のもと、一定の要件を満たす場合において学校で動画を流すことは許されています。

では、授業中にインターネット上の動画を流すことはできるのでしょうか?

動画サイトの動画を流す際にも、上記に記載した内容と同様に、著作権者の許諾を得ているまたは授業に利用するという目的の範囲であれば流すことができます。

ただし、違法に投稿された動画に関しては、授業で流す際に注意が必要です。

授業で流した動画が違法であった、そのため著作権法に引っかかってしまったということのないように、まずは利用する予定の動画サイトの規約を確認しましょう。

動画サイトの規約で動画の利用が認められている場合、条件に従って流すことができます。

動画のなかには違法に投稿されたものも数多く存在するため、授業で利用するときは著作権侵害にならない動画かを慎重に見極めることが大切です。

学校が守るべき著作権法について

教員は学校現場での動画に関して、2018年の著作権法改正の際に新しく制定された「授業目的公衆送信補償金制度」について押さえておく必要があります。

2021年4月に施行される予定であった「授業目的公衆送信補償金制度」は、新型コロナウイルスの影響でオンライン授業の需要が高まったため、2020年4月から適用されるようになりました。

この「授業目的公衆送信補償金制度」により、著作物の扱いは以下のようになっています。

授業のシチュエーション著作物の扱い方
対面授業著作権者の無許諾、無償にて著作物の利用が可能
オンライン授業著作権者の無許諾、無償で著作物の利用が可能

著作権に対して最低限の知識は押さえておきましょう。

学校で授業動画を活用するメリット

授業動画の撮影

学校の授業動画に関してはいくつかのメリットが挙げられます。

ここでは、学校で授業動画を活用するとどのようなメリットがあるのか解説します。

いつでも授業内容を見直すことができる

いつもの授業の様子を動画にしておくと、生徒が授業の内容を見返したいときに役立ちます。

好きなタイミングで見返して授業の内容についての理解を深めることができ、宿題をしているときにも活用できます。

解説を聞き漏らしてしまった、先生の言っている内容がよくわからなかったという場合にも、授業動画を見直して再度確認することができます。

より授業に集中できるようになる

授業動画は、後に見返すことができることが利点です。

その安心感から、リアルタイムの授業により集中できるようになります。

後で見返すことができることから慌ててノートを取る必要がなく、授業内容をより頭の中に入れることができるでしょう。

いつもノートを取るのに時間がかかってしまう、授業の内容があまり頭に入っていないといった事態を解決することができるのです。

学校を休んでしまっても授業を受けることができる

授業動画を残しておけば、体調不良などで学校を休んでしまった生徒も後から授業を受けることができます。

教科書を見て自身で内容を理解しようと思っても、初めて学ぶ分野や単元に関しては理解が難しいです。

そのようなときにも録画された授業動画を参考にすることで、欠席した日の授業内容を把握することができます。

学校に通うことが困難な生徒も授業を受けることができる

何かしらの理由で学校に通うことが困難な生徒もいます。

そのような生徒に対しても、授業動画を用意しておくことで場所を選ばずに授業を受けることができます。

自宅で学ぶ、保健室で過ごすなど状況が異なる生徒でも、落ち着いて勉強ができる環境を提供することができるのです。

学校で授業動画を使用するときの注意点

学校で授業動画を使用する注意点

学校で授業動画を使用すると、学校側と生徒側にとって嬉しいメリットが期待できます。

しかし、学校で授業動画を使用する際はいくつかの注意点があることも知っておく必要があります。

注意点を一つずつ確認しながら、授業動画の準備を行ないましょう。

プライバシーに配慮する必要がある

動画の閲覧権限

授業動画は、その学校に通う生徒が活用するものであり、関係者以外に公開するものではありません。

このことから外部の人が動画を視聴できないよう、プライバシーへの配慮が必要となります。

YouTubeには限定公開という機能があり、動画検索には表示されない、URLを知っている者のみしか視聴できない仕様になっています。

そのため気軽に動画を投稿できるようになっていますが、URLが流出することで誰でも視聴できるようになるため注意すべきです。

映りこんでいるものや人物の個人情報

授業動画のなかに生徒や保護者に関する情報が含まれている場合、個人情報の流出にも細心の注意を払わなければなりません。

顔や住所、氏名などが特定される可能性がある情報が流出しないように気を付けましょう。

生徒や保護者が映っている動画があるときは、事前に本人の同意を得ておく必要があります。

同意を取らずに動画を投稿すると、その人の肖像権を侵害することとなります。

学校の信頼を失うことになるため、授業動画などの動画はプライバシーに配慮しながら作成・投稿するようにしましょう。

インターネット環境を整える必要がある

オンライン授業などで学校から生徒に向けて動画を配信する際は、インターネット環境を整えることが必要です。

生徒の自宅でインターネット環境がない場合や、通信容量の都合で動画を視聴することができないといったケースがあります

インターネット環境の有無によって、全員の生徒に等しく情報を提供することができなくなってしまいます。

オンライン授業を取り入れるときは、学校側は生徒一人ひとりのインターネット環境について事前に調べておくことが欠かせません。

教員がIT知識を身につける必要がある

学校の授業動画を用意するとなると、教員が様々な作業をこなさなければなりません。

教員が撮影から編集、共有までをこなすこととなり、パソコンの基本的な操作に加え、撮影や編集のためのシステムを理解する必要が出てきます。

授業動画を取り入れる場合は、動画を撮影して共有するまでの流れをスムーズにこなせるレベルが教員に要求されるのです。

外部の業者に依頼することも可能ですが、個人情報の問題などで踏み切ることができない学校が多いです。

学校で授業動画を取り入れるときは、教員がIT知識を身につけなければならないという点を押さえておきましょう。

動画投稿サイトに動画をアップするときは公開範囲に気を付ける

YouTubeなどの動画サイトに動画をアップロードする際は、公開範囲に注意しましょう。

著作物を自身の動画で利用しているとき、インターネット上に公開することはNGとなっています。

一方、授業を受ける生徒のみに限定して動画を配信するという方法であれば利用することが可能です。

YouTubeでは公開範囲を以下のなかから選択することができます。

公開範囲内容
公開誰でも動画を視聴できる
限定公開URLを知っている人だけが動画を視聴できる
非公開チャンネルの管理者のみが動画を視聴できる

授業動画をYouTubeにアップしたいというときは、限定公開や非公開にしておくと良いでしょう。

ただし、限定公開についてはURLを知っていれば誰でも視聴ができるためURLの取り扱いには気を付けてください。

学校で利用する動画全般は著作権法や個人情報に注意しながら流すこと

学校での動画利用

学校現場では、授業の際に活用できるインターネット上の動画やテレビ番組を録画したものなどを、授業のときにのみ使用するという形であれば著作権侵害にはなりません。

オンライン授業に関しては、個人情報の流出や生徒側のインターネット環境などに注意を払う必要があります。

動画の内容を精査し、シーンに応じて生徒のためになるものを配信・閲覧できるようにしましょう。

インターネットを使った情報社会である現代においては、様々な動画が配信・投稿されています。

授業の一環として活用できる動画を見極め、活用してみましょう。

学校現場での授業動画に関するトラブルのことなら大阪の弁護士「西横堀総合法律事務所」へご相談を

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この記事の監修者

大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
学校現場での授業動画の取り扱いに関することなら、どうぞお気軽にご相談ください。