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父親が親権を取るには?勝ち取る方法を事例で紹介

父親が親権を取るには?勝ち取る方法を事例で紹介

夫婦の離婚となると、子供の親権をどちらが得るかで問題となります。
母親と父親の両方が子供を引き取りたいというときは、しっかりとした話し合いが必要です。
離婚の際には一般的に母親の方が親権を得やすいと言われていますが、父親が親権を得ることも可能なのでしょうか?
今回は、父親が親権を得るという点について詳しく解説していきます。
実際に親権を得ることができた父親のケースも事例としてご紹介していきましょう。

親権者の決め方

親権者の決め方

離婚する際に子供がいる場合、親権を父親と母親のどちらが得るか決める必要があります。
では、この親権者はどのように決まるのでしょうか?
一般的な親権者の決め方について見ていきましょう。

現実で子供を育てている者を優先する

離婚する際、調停や裁判で取り決めを行なっていく必要があります。
その期間、子供を育てていた親が親権者となる場合が一般的です。
子供を育てている間、大きな問題がない場合に認められます。
今まで子供の世話をしてきたという監護実績があるという意味にもなります。
実際に子供と一緒にいる者、子供の世話や教育をしている者が親権者としてふさわしいと、ごく自然な流れで決まるケースが多いです。
こうしてみたときに、日本では母親の方が優位とされているのです。

乳幼児の場合は母親優先

夫婦の間に生まれた子供がまだ小さな乳幼児である場合、親権は母親優先となります。
離婚後に父親と母親のどちらが子供を引き取るべきか・・・と判断が難しい場合、母親優先となることが多いです。
母乳を飲んでいるような小さな子供は、母親なしでは生きていけません。
また、子供の身の周りのことについても、母親だからわかる部分もあるでしょう。
このような点から、子供が乳幼児の場合、親権者は母親になる場合が多いのです。

子供が15歳以上の未成年である場合、子供自身の意思も尊重する

子供が15歳以上の未成年であるときは、子供自身にもきちんと状況を説明して離婚について理解してもらうようにします。
その際、子供の意思も尊重されるため、どちらの親と一緒にいるかは子供の一言で決まる場合もあります。
また、兄弟がいるときには、親の離婚によって離ればなれにならないか、ということも重要なポイントとなります。
その他、学校や周りの環境が大きく変わってしまうことにならないかという点も、きちんと確認していきたい点です。

このように親権の決め方にはいろいろと判断すべき点があり、父親と母親のどちらが親権を得るのにふさわしいか慎重に決めていくことになります。
上記に挙げた以外にも、経済力、親が見られないとき誰に子供を見てもらえるか、生活環境はきちんと整っているかなども視野に入れながら、最終的な決断をしていきます。

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なぜ父親が親権を取りにくいの?

なぜ父親が親権を取りにくいの?

親権を決めていく流れを見ると、どうしても母親優先となるケースが多いです。
では、なぜ父親は親権を取りにくいのでしょうか?
その理由について考えてみましょう。

子供の意思

子供、特に小さな子にとって母親の存在はとても大きいです。
生まれたときから一緒で、毎日の生活において子供の世話をしていくなかで、子供は母親を求めるようになります。
そのため、子供は母親に対してより深い感情を抱く傾向にあるのです。
お母さんと離れることで急に泣き出してしまう子がいたり、お母さんではない人が抱っこすると泣き止まないなど、母親を求める子供の様子は想像することができるでしょう。
母親の方が有利と言われてしまう親権問題、子供自身が母親を求めるという事実も関係しているのです。

養育実績の差

父親が親権を取りにくい点は、養育実績の差も関係しています。
母親の場合、子供が産まれることで産休や育休を取得したり、退職するケースが多いです。
一方で、父親が育休を取得したり退職してしまうといった話は、日本ではあまりありません。
こうしてみると、普段子供と接している時間が多いのは、やはり母親となります。
子供の身支度や食事の用意など、毎日の生活の中で子供と一緒にいる時間が多い傾向にあるため、このような養育実績の差によって、父親は親権を得にくいとされているのです。

生活環境を整えていくことが難しい

養育が必要な子供にとって、親の存在は欠かせません。
身の周りの世話や学校のことなど、子供一人では難しい点もたくさんあります。
離婚後、親権者が母親になるケースが多い理由には、父親が仕事を替えることや時短勤務をすることが難しく、その間子供を見られないと判断されることも含まれています。
今の日本では、男女で賃金の差があるのが現状です。
こういった面から、離婚後は父親が働いて養育費を母親に渡すという流れが一般的になっているのです。
収入面、実際に子供を育てていく環境などを考えたときに、母親の方が親権者としてふさわしいと判断されやすいのです。

父親が親権を取りやすくなる条件について

父親が親権を得るという現状がまだまだ少ない日本ですが、決して0ではありません。
実際に、父親が親権を得たというケースも存在します。
そこで、子供を引き取って育てたい、親権を必ず取りたいと考えるお父さんは、親権を取りやすくするための条件について知っておくと良いでしょう。

  • 日ごろから子供に好かれている
  • 子供と接する時間が長い
  • 母親が親権をほしくないと思っている
  • 経済面で子供をきちんと育てることができる
  • 父親の両親も協力が可能
  • 子供が父親の両親(祖父母)によくなついている
  • 母親が育児放棄している、虐待している

上記のような点に当てはまる場合、親権問題で父親が優位になりやすいです。
実際にあった事例を見てみても、父親が親権を得ることができたケースにおいては上記のような点が挙げられています。

親権を得る際に父親がアピールできることとは?

親権を得る際に父親がアピールできることとは?

子供を引き取りたいと考える父親が、親権を得るためにアピールできることもいくつかあります。
親権を決めていくうえで有利になる点でもあるので、ぜひ確認しておきましょう。

経済面で安定して過ごせることを伝える

子供一人育て上げるだけでも、かなりのお金がかかるとされています。
習い事や学校で必要なものの購入、大学まで進学することなどを考えると経済的に余裕がある方が望ましいです。
その点、父親はフルタイムで仕事をしている人が多いです。
一般的に母親と比べたときに経済力のある父親の方が多いため、しっかりアピールできるポイントといえます。
経済面において安定している方が、子供も豊かな気持ちで過ごせるでしょう。
自分が子供を引き取りたいという場合は、経済面についてしっかり伝えることが大切です。

子供と過ごす時間をしっかり確保できることをアピールする

子供にとっては、どんなときも親の存在が欠かせません。
学校などから帰宅して家で過ごす時間、習い事の送り迎え、休日の過ごし方など、親がそばにいてくれることが多いです。
そこで、父親で親権を取りたいと考えている人は、子供と過ごす時間を取れるという点をアピールしてみましょう。
結婚している当時、できるだけ早く仕事から帰ってきて子供の世話をしていた、休日はいつも子供と一緒だった、自分が見られないときには祖父母が面倒を見ることができる・・・といった状態であれば、親権を得るにあたって有利になります。
母親と同じくらい、子供の世話ができるという点を伝えることが重要なのです。

調停委員に認めてもらう

子供の親権をめぐっては、夫婦二人だけではなく調停委員も入って決定していきます。
その際、調停委員に良い印象を与えられると有利になるとされています。
話し合いの約束の時間にきちんと来る、電話のやり取りができる、身なりがきちんとしているなど、人としての行動を見られている場合があるため意識しておきましょう。
この人なら子供の世話を任せられるだろうと判断してもらえると、父親であっても親権を得やすくなります。

父親が勝訴した親権問題の事例一覧

父親が勝訴した親権問題の事例一覧

父親が子供の親権を得にくいとされている今、見事親権を得た父親もいます。
日本では親権は母親が得る場合が多いのが事実ですが、実際には父親が親権を獲得できたというケースもあります。
ここでは、親権を得ることができた父親の事例についていくつかご紹介していきましょう。

妻の浮気による離婚、その後無事に親権を獲得

小さな子供がいながら、妻が浮気をしていたという男性。
外出の回数が増えたり、スマートフォンを気にするようになったり、会話のつじつまが合わなかったり・・・と日々の生活でおかしいなと感じていることはあったそうです。
そこで、男性は探偵に依頼して、妻の浮気調査をしてもらいました。
妻が浮気している証拠がしっかり見つかり、男性は離婚を決意します。
離婚を決意したものの子供は自分が引き取りたい、そう考えた男性は探偵や弁護士に相談し、調停の場で父親が有利になるよう一緒に作戦を立ててもらいます。
的確なアドバイスのもと、浮気をしているという確かな証拠もつかめて、調停の場で説明することができました。
その結果、見事父親が親権を得ることができたというわけです。

法律でみると、妻の浮気であっても母親が有利になる親権、父親としては行き場のない憤りを感じるでしょう。
妻の浮気で離婚や親権問題に発展するときは探偵や弁護士に相談する方法が望ましく、調停の場でどのように戦えばよいかもアドバイスしてくれます。
そのうえでは、信頼できる探偵や弁護士を見つけることも大切です。

西横堀総合法律事務所の離婚とシングル家庭ご支援について

親権が決まる前に母親が子供を連れ去ってしまった

親権問題をめぐって話し合いが続いているなか、どうしても親権を得たい、夫には会わせたくないといった思いから、母親が子供を連れ去ってしまうケースもあります。
無断で子供を連れ去った場合、未成年略取の罪に問われることになり、父親が優位になります。
母親からすると自分が産んだ子なのになぜいけないのかと思ってしまうかもしれませんが、親権を決めるにあたっては大きなマイナス要素となってしまうのです。
実際に、このような事例が起き、父親が親権を得たという話もあります。
母親からすると子供とどうしても離れたくないという思いで起こしてしまった行動ではあるかと思いますが、最終的には父親に親権がわたることになるのです。
このような流れから、子供の親権を得ることができたという父親もいます。

「お父さんと一緒に暮らしたい」という子供の意思

親権をめぐっては、夫婦だけでなく子供の意思も尊重されます。
子供が「お父さんと一緒に暮らしたい」と言う場合、その意思をくみ取り、父親が親権をとるにふさわしいか調査していきます。
お父さんと一緒にいたいという内容だけではなく、今の学校を替わるのは嫌だ、違うところでは住みたくないといった子供の気持ちも反映できるように進めていくことが大切です。
子供の意思を尊重したうえで親権を決定していくとき、父親が親権を得ることになるというケースも大いにありうるのです。

兄弟がそれぞれ別の親を選んだ場合

子供が2人以上いる場合、兄弟それぞれの思いも異なってくるでしょう。
離婚後はお父さんと一緒にいたいと言う子もいれば、お母さんと暮らすと言う子もいるはずです。
兄弟が離ればなれになるのは子供にとって大きなショックを与えるという点から、あまり推奨はされませんが、兄弟それぞれが別の親を選ぶ場合もあるのです。
このときにも子供の思いを一番に考え、夫婦で親権についてきちんと話し合う必要があります。
一般的に離婚後の親権は母親にわたる場合が多いとされていますが、このようなケースにおいても一概には言い切れません。
父親が親権を得られる場合もあるのです。

母親が育児放棄していた

現在、児童相談所には日々多くの相談が寄せられていますが、そのなかで多いのが育児放棄(ネグレクト)や虐待です。
離婚や親権問題にぶつかるときも、この育児放棄が関係していることがあります。
事例としては特に、母親が育児放棄している場合は、親権の話し合いになったとき父親が有利なりやすいです。
「小さな子供を一人残して出掛けていた」「食事をきちんと用意していなかった」など、母親が育児をしていない場合、親権は父親にわたる可能性が高いです。
親権をめぐっては、今まで子供とどのように関わってきたかという点が重要視されます。
そんななか母親が育児放棄していた場合は、親権は父親の方が大いに優位になるわけです。

母親が一人で家出してしまった

父親が親権を得ることができたという事例を見ていると、母親が一人で家出をしてしまい、子供の世話をせずにしばらく家を空けていたというパターンもあります。
その後母親とは連絡が取れたものの、戻ってくることはなく、父親や祖父母が子供の世話をしていたといいます。
調停にて親権を決める際には、それまでに父親が子供の世話をしていたことが認められ、また生活環境においても安心できるということで、父親が親権を得ました。
母親が急に家出してしまった際に、子供の世話をしっかりしていたという点が認められ、また今後の子供の養育環境を考えたうえで親権が父親にわたったという事例です。

妻の浪費癖

専業主婦として子供一人を育てながら毎日を過ごしていた妻、浪費癖が目立つようになり生活がままならなくなったという話もあります。
仕事をやめて専業主婦になったのに浪費が止まらない、これでは家族の生活が成り立たなくなってしまいます。
生活費だけでなく、教育資金までも自分のお金として使うようになったとか。
夫が注意しても止むことはなく、とうとう離婚を申し立てることにしたという事例です。
弁護士に相談して調停で話が進んでいくなか、妻の浪費癖がすぐに治るものではない、子供にも大きなリスクが及ぶということから、親権が父親にわたりました。
子供が普通の生活を送れなくなるのは避けたいという、父親の強い気持ちもしっかり反映された結果といえます。
その後、父親は両親と同居し、二人の力を借りながら子供を育てているということです。
浪費癖は簡単に治るものではなく、子供にとって必要なお金までも使ってしまうような状況では、健全な生活ができなくなってしまいます。
調停でもそのような判断がなされた結果、親権は父親が獲ったという事例です。

妻から子供への虐待

妻から子供への虐待がひどく、離婚、親権問題と話が進んだケースもあります。
夫が仕事で家を空けることがあったなか、帰ってきたら子供の体にいくつものあざが見つかりました。
夫がいない間に、母親が子供に暴力をふるっていたのです。
これでは子供の命が危ないと思い、夫は妻との離婚を決意します。
調停の場で、夫は妻がしてきた子供へのネグレクトや暴力の事実を伝え、親権を主張しました。
妻はうつ病であったため、回復したのちには子供と面会できるようにという約束も交わされました。
夫は子供が産まれたときに産休を取得していたり、子供の世話に積極的であったため監護実績が認められ、親権を得ることができました。
今後、子供と生活していくなかで問題なく過ごせるだろうということから、親権は父親にわたったのです。

父親でも親権を得ることはできる!しっかり準備をして子供のいる生活を勝ち取ろう!

父親でも親権を得ることはできる!しっかり準備をして子供のいる生活を勝ち取ろう!

離婚時の親権というと、どうしても母親が優位になったり、母親側にわたってしまう場合が多いです。
しかし、父親は親権を得られないということはなく、事例にもある通り今までの状況や妻の状態、祖父母の協力の有無など様々な点から判断した際に、子供を育てるのにふさわしいと認められると父親が親権を得ることもあります。
子供がいない生活は想像できない、しっかりと子供を育て上げたいと考えているお父さん方は、親権を得られるよう周りの人の力も借りながら進めていきましょう。
その際、子供の意思を尊重することも忘れないようにしましょう。
親権いろいろな問題を一つずつ整理しながら、子供にとってベストな環境を選ぶことが大切です。

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この記事の監修者

大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
父親の親権のことでお困りごとがございましたら、どんな些細なことでもかまいませんので、一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。