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未成年後見人とは?制度の内容と必要になるケース、手続きの流れを解説

未成年後見人になった叔父

「未成年後見人とは?内容について詳しく知りたい」

「未成年後見人の職務内容にはどんなものがある?」

「未成年後見人になるにあたっての手続き方法が分からない」

親権者を失くした未成年者にとって、生活や教育、財産管理や契約などを行なう際に未成年後見人が必要となります。

しかし、未成年後見人とは何なのか、誰でもなれるものなのかなど疑問も出てきます。

状況によっては、未成年後見人を指定したいというケースもあるでしょう。

今回は未成年後見人について、制度の内容や必要となる場面、具体的な手続きの流れなどについて解説していくため、ぜひ最後まで読んでみてください。

未成年後見人とは?

子供と未成年後見人

未成年後見人とは、親権者などの死亡により親権を持つ者がいなくなった未成年者の代理人のことを指します。

未成年者の監護や養育、財産の管理などの法律行為を行なうことができます。

親権者と同じ権利義務をもつ未成年後見人ですが、正しく選任されることが最重要です。

未成年後見人が必要な場面

未成年後見人は、未成年者に親権をもつ者がいなくなったときに必要となります。

親権をもつ者とは、例を挙げると以下のようなケースがあります。

  • 親権者である両親が死亡した
  • 両親の離婚により一方の親が親権者になっていたら、その親が死亡した
  • 親権者である親が行方不明となった
  • 親権者が未成年者を虐待したなどにより親権を失った
  • 親権者が重度の認知症などで後見開始の審判を受けた

未成年後見人が必要な理由とは

未成年者の両親が亡くなるなどによって未成年後見人が選ばれることになりますが、なぜ未成年後見人が必要となるのでしょうか?

多くの場合、未成年者の祖父母や叔父、叔母などの親族が面倒を見るケースが一般的です。

しかしこのようなケースにおいて、これらの者は未成年者の法定代理人ではありません。

よって、未成年者が高校に入学するときの契約をしたり一人暮らしをするための部屋の契約を行なうといった場合には、法定代理人として未成年者の代わりに契約を交わすことができないのです。

法律行為を行なおうとするとき、未成年後見人を選ばないと契約などの手続きを進めていくことができません。

未成年者の場合は自身一人で契約などをすることができないので、未成年後見人が必要になるのです。

未成年者の後見を続ける期間について

未成年後見人の期限

未成年後見人が未成年者の後見を続ける期間は子どもが何歳になるまでと厳密に決められているわけではなく、未成年後見人になってから以下のいずれかの時点まで継続することになります。

  • 未成年者が成人したとき
  • 未成年者が誰かの養子になったとき
  • 未成年者が婚姻したとき
  • 未成年者が死亡したとき

両親の死亡などにより遺産相続などが発生したとき、手続きを進めるにあたって未成年後見人が選ばれます。

しかし、手続きが完了した後も、未成年後見人としてやるべきことは長期間にわたって続くことになります。

長く続く未成年後見人の役割ですが、高齢であったり病気を患っているなどの理由がある場合は家庭裁判所から許可を得て未成年後見人を辞任することが可能です。

未成年後見人を辞任する際は、新しい未成年後見人を選任する必要があります。

未成年後見人の職務内容

冒頭で職務内容について少し触れましたが、ここで未成年後見人の職務内容についてもう少し詳しく見ていきます。

監護・養育・財産管理

未成年後見人の職務には、未成年者の監護・養育・財産管理が挙げられます。

未成年後見人に就任してから終了するまでのそれぞれの時期に応じて職務内容が少し異なってくるため、以下で確認しておきましょう。

時期職務内容
就任時未成年者の財産調査、財産目録の作成、未成年者の生活や教育などに関する費用などの予算の策定
就任時未成年者の財産調査、財産目録の作成、未成年者の生活や教育などに関する費用などの予算の策定
終了時本人や相続人などへの財産の引継ぎ、後見終了の届出提出

裁判所への報告

未成年後見人は裁判所によって選ばれます。

そのため、職務内容や財産の状況などを定期的に家庭裁判所に報告しなければなりません。

未成年後見人に就任した後、未成年者の財産を調べて1ヵ月以内に家庭裁判所に報告することになっています。

その後、毎年決まった時期に後見事務報告書と財産目録を提出する形になります。

未成年後見人に対する報酬が支払われる

未成年後見人は、報酬を受け取ることができます。

家庭裁判所に報酬付与の審判の申し立てを行ない、決定を受けて初めて報酬を受け取れるようになります。

報酬は、後見人としての職務期間や内容などから決められるようになっています。

きちんと手続きを行なった上で受け取れる未成年後見人に対する報酬ですが、手続きをせずに未成年者の財産から引き出したりすることは禁じられているため、報酬を受け取る場合は必ず家庭裁判所で申し立てを行なわなければなりません。

未成年後見人の職務を終えるとき

未成年者が成人した、結婚したなどの理由により未成年者の後見が終了となる場合は、10日以内に役所に届け出る必要があります。

その後、家庭裁判所に連絡をして、管理していた財産を2ヵ月以内に未成年者本人または相続人に引き継ぎます。

未成年後見人を終えるときにもいくつか必要な手続きがあるので、理解しておきましょう。

未成年後見人の選任方法

未成年後見人の選定

自身の死後、離婚した元夫に親権を渡したくない、元夫が未成年後見人になることは避けたいという場合があります。

虐待などの理由から、親族以外の者を未成年後見人とすべきであるということもあるでしょう。

未成年後見人の選任方法について理解し、未成年後見人としてふさわしい人を選ぶようにしたいです。

遺言書で指定または家庭裁判所で選ばれる

未成年後見人を選ぶ方法は親権者の遺言から選ぶ方法と、家庭裁判所で選んでもらう方法の2種類です。

遺言に未成年後見人の指定があればその内容をもとに未成年後見人を選ぶことができますが、指定がない場合は未成年者本人や親族などが家庭裁判所に申し立てることで選任してもらうことができます。

家庭裁判所で未成年後見人を選ぶときは、未成年者の年齢や生活状況、財産状況などをはじめ、未成年後見人となる者の職業や未成年者の意見なども踏まえて考慮されるようになっています。

申し立ての際に未成年後見人の候補者を記載することができますが、必ずしもそこに記載されている人が未成年後見人として選ばれるわけではありません。

家庭裁判所が書類などを見て判断し、候補者以外の人が未成年後見人に選ばれることもあるのです。

そのため、元夫が未成年後見人になるのは避けたい、未成年者を虐待から守りたいというケースにおいては家庭裁判所で申し立てを行ない、未成年後見人に適した人を選んでもらう必要があります。

平成24年以降は、未成年後見人を複数選任することが可能となりました。

ここから、未成年後見人が複数選任されている場合は、それぞれが共同して未成年後見人としての権限を行使しなければなりません。

無事に未成年後見人の選任が完了すると、未成年者の戸籍のところに未成年後見人が選ばれたことが記載されるようになっています。

参照:裁判所 未成年後見人選任

未成年後見人になれない者のケース

未成年後見人は誰でもなれるわけではありません。

以下のケースにおいては、法律上未成年後見人になることができないので注意しましょう。

  • 未成年者
  • 破産者で復権していない者
  • 行方の知れない者
  • 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人や保佐人
  • 未成年者に対して訴訟をした者やその配偶者や直系血族

未成年後見人の手続きの流れ

未成年後見人の手続きの流れ

未成年後見人が選ばれるまでの流れは、パターンによって必要な手続きが異なります。

ここでは次の2通りの未成年後見人の選任方法について、手続きの流れを確認していきます。

家庭裁判所へ申し立てて未成年後見人を選任してもらう場合

家庭裁判所への申し立てを行なって未成年後見人を選任してもらう際は、次のような流れで進んでいきます。

  1. 必要書類を集める
  2. 管轄の家庭裁判所に申し立てる
  3. 申立人、後見人候補者と裁判所で面接を行なう
  4. 未成年者本人と裁判所が面接を行なう
  5. 未成年者の親族へ意向を照会する
  6. 選任の審判書が送付される
  7. 財産目録、年間収支予定表を裁判所へ提出する

最初に、申し立てに必要な書類を集めることから始めます。

家庭裁判所によって必要な書類が異なるので、事前に確認しておくことが大切です。

未成年後見人になってほしくない人がいるときは、書類をきちんと揃えておくようにしましょう。

このとき弁護士に事情を相談することで、適した人が未成年後見人に選任されるようにすることができます。

ここでは、多くの家庭裁判所が提出を求める必要書類について記載するので参考にしてください。

  • 各家庭裁判所指定の申し立て書一式
  • 戸籍謄本(未成年者と後見人候補者の分)
  • 住民票(未成年者と後見人候補者の分)
  • 親権者が死亡した旨が記載されている戸籍謄本
  • 親族からの申し立てなら親族関係を証明する戸籍など
  • 申し立て費用

必要書類を揃えた次に、家庭裁判所に問い合わせて面接の予約を入れます。

意向照会のところで親族から反対されると、申し立ての際に指定してある未成年後見人候補者は選ばれません。

無事に未成年後見人が選任された後も必要書類を提出しなければならないため、最後まで慎重に進めていくことが大事です。

親権者の遺言により未成年後見人が指定されている場合

親権者の遺言に未成年後見人について記載があった場合、一から未成年後見人を選任する方法とは手続きの流れが少し異なります。

  1. 遺言書で未成年後見人を指定
  2. 遺言者が死亡した際に、必要書類を集めて10日以内に役所に届出

親権者の遺言書があるときは、手続きの方法が比較的シンプルになっています。

このとき、公正証書で遺言書が作成されているかが重要な点となります。

公正証書で作成しておくことで、紛失のリスクを防ぐことができるためです。

離婚した前夫には未成年後見人になってほしくないというときも、公正証書で遺言書を作成しておくと未成年後見人を選任する際に活用できます。

遺言書がある場合、未成年後見人に指定されている者は10日以内に未成年者の住所地の役所に届出を行なうことになっています。

このとき、以下の書類が必要となるので事前に準備しておいてください。

  • 未成年者の届出書
  • 戸籍謄本(未成年者と後見人候補者の分)
  • 公正証書遺言の謄本

遺言によって未成年後見人が指定されているときは、原則として家庭裁判所の監督を受けないことになります。

後見人になる者の負担が減るのはメリットといえますが、一方で後見人の横領などを確認することができないためトラブルが起きる可能性があります。

このようなトラブルを避けるため、遺言で監督人も一緒に指定しておくと安心です。

未成年後見人については弁護士に相談できる

未成年後見人について調べる弁護士

未成年後見人の選任については、方法によってはスムーズに進まないことがあります。

家庭裁判所へ申し立てを行なう際は揃えるべき必要書類もあることから、大変に感じてしまうことがあるでしょう。

そのようなときは、専門家である弁護士に相談して未成年後見人の選任申し立てを一緒に進めてもらうことをおすすめします。

未成年後見人に関する法律に詳しい弁護士が必要な書類を揃えたり、家庭裁判所とのやり取りを行なってくれます。

未成年後見人に適した人が親族の中にいないという場合についても、弁護士が動いてくれるため心強いです。

未成年後見人は未成年者にとってとても大切な存在であり弁護士に相談することができる

未成年後見人は、親権者を失った未成年者にとっては必要な存在です。

親権者の遺言に未成年後見人に関することが記載されていれば手続きも比較的スムーズに進められますが、遺言がなく家庭裁判所を通じて未成年後見人を選任する場合は必要書類を揃えたり裁判所へ出向くことも増えてきます。

未成年後見人の選任についてお悩みの際は、一度弁護士にもご相談ください。

状況を踏まえた上で、最適な方法で未成年後見人の選任が終えられるようサポートいたします。

未成年後見人のことなら大阪の弁護士「西横堀総合法律事務所」へご相談を

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この記事の監修者

大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
未成年後見人のことでお困りごとがございましたら、どんな些細なことでもかまいませんので、一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。