子どもたちが安全かつ快適に過ごすことが望ましい学校ですが、場合によっては事故が起きてしまうことがあります。
では、学校で起きた事故に対して学校側はどのように対応すれば良いのでしょうか?
学校側に発生する責任について、また弁護士に相談できることなどについて解説します。
Contents
学校事故とは
学校で起きた事故の学校側の対応法について詳しく見ていく前に、学校事故にはどのようなものが含まれるのかを考えてみましょう。
学校事故に関しては、法律で詳しく定義づけられているわけではありません。
なので一般的には学校の教育活動の場で起きた事故、また学校の施設を使用しているときに児童が怪我を負った、などの場合を指しています。
具体的にみると、授業中の事故をはじめ運動中の熱中症、遊具破損による落下など、課外活動中、学校行事のときなどに起きた事故などが含まれます。
一般的に学校事故と呼ばれる事故については、教職員の不注意や学校施設の管理体制に問題があるケースが考えられ、ここから学校側の責任としてトラブルになることがあるのです。
学校事故は、次の3つの法的責任が生じることから状況に応じて慎重に対応することが求められます。
責任の種類 | 詳細 |
---|---|
民事責任 | 加害者から被害者に対しての損害賠償請求 |
行政責任 | 国公立学校の教職員に問題がある場合、その任命権者が該当する教職員に対して懲戒処分を行なう |
刑事責任 | 学校事故により児童や生徒が死亡または怪我などを負った場合、事故の原因となった者に対して刑事罰が科される |
部活動中の事故でも学校側に法的責任はあるのか
学校事故は、学校が関係している場で起きる事故のことを指しており、学校側に責任が生じてきます。
では、中学校や高校などにおける部活動中の事故に関しても、学校側に法的責任が生じるのでしょうか?
学校事故のなかでも、部活動中という点に注目して解説していきます。
部活動中の事故に対する法的責任
部活動は、学校の課外活動に該当します。
よって、学校事故にあたり、教職員に法的責任が生じる場合があります。
部活動中の事故については、次のような点に留意しながら法的責任について考えていくこととなります。
- 練習内容が危険なものであったか
- 普段から生徒に対して練習内容についての危険性や安全策について適切に伝えてきたかどうか
- 生徒の判断能力について
上記3点を確認したうえで、部活動中の事故に関する法的責任について追及されることになります。
法的責任に関しての詳細は、以下をご覧ください。
学校別 | 法的責任の所在 |
---|---|
国公立学校の場合 | 教師個人や学校ではなく、国または地方公共団体が損害賠償責任を負う |
私立学校の場合 | 教師個人や学校が損害賠償責任を負う |
責任の所在について
学校事故は、授業中の事故や部活動中など様々な場面で起こる可能性があります。
ここでは、学校事故が起きた場合の責任の所在についてみていきましょう。
学校事故の責任はどこにあるのでしょうか?
教師や国、地方公共団体へ責任を追及する
学校の教師は、安全配慮義務として、児童・生徒を危険から保護する義務を負っています。
この安全配慮義務に反する行為があった際には教師に過失が認められ、損害賠償請求の対象となりうるのです。
公立学校である場合は、国家賠償法に基づき国または地方公共団体に賠償義務が発生します。
一方、私立学校の場合は上記でも触れた通り、教師個人に対して直接損害賠償請求が行なわれることとなります。
学校設備の不備は学校側が請求・追求されることが多い
学校には、サッカーゴールやプールなどの設備が整っています。
そのような学校設備の関連で事故が起きた場合、用具を設置した管理者だけでなく学校側にも責任が生じてくる可能性があるため注意が必要です。
設備の管理会社だけではなく、学校側にも責任が生じることを覚えておきましょう。
学校事故に対して弁護士ができること
学校事故は、いつどのようなときに起きるかわかりません。
授業中の事故だけでなく、部活動中や課外活動中の事故も含まれます。
また、事故が起きた経緯や学校の種類に応じて、責任の所在についても違いが出てくるのも事実です。
学校側としては、事実の確認から保護者への対応、また未然に防ぐための防止策などについて検討する必要があります。
学校事故を予防・対処していく際には、弁護士も力になってくれます。
弁護士が具体的にどのように対応してくれるのか、詳しくみていきましょう。
マニュアルの作成
万が一の学校事故に備えて、弁護士は学校事故が起こった際のマニュアルの作成ができます。
学校での事故は、起きる現場や内容が多岐にわたるため、対応の方法も多岐にわたります。
弁護士ならどこでどのような事故が起きるのかを想定したうえで、手引書を作ることができます。
弁護士が法的責任に基づいて作成してくれるため、学校側は事故が起きた際に現場と内容を踏まえたうえでの対応を迅速に取ることができるでしょう。
また、教職員へマニュアルの周知徹底をすることから、教職員一人ひとりがより真剣に学校事故について考える機会を作ることもできるでしょう。
責任の有無や賠償額を争える
我が子が事故に遭ったとなると、保護者は気が気ではありませんので冷静な判断が難しくなっています。
そのようななか学校側が弁護士に相談することで、学校事故における責任の有無や賠償額についても正当に争えるようになります。
学校側としては、損害賠償請求される前に責任の有無を確認するため、証拠収集を行なう必要があります。
学校現場でどのような事故が起きたのか、その詳細について弁護士が学校側に確認し、被害を受けた児童・生徒に対しての損害賠償について検討していくという流れです。
同時に、損害賠償請求へと話が進展していくなかで多額の賠償額を請求してくる恐れがあります。
そのような場合においても、弁護士に相談することで正当な金額を算定してもらうことができます。
万が一の学校事故に備えて弁護士に依頼をして体制を整えておこう
学校事故は、いつ発生するかわかりません。
学校の種類や事故が起きた現場などにおいて責任の所在が異なり、損害賠償請求の内容にも影響してきます。
保護者とのトラブルに発展しないよう、また冷静かつ適切に対応できるよう、弁護士に相談をして学校事故に対する体制を整えておくと安心です。
学校事故に関するトラブルのことなら大阪の弁護士「西横堀総合法律事務所」へご相談を
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