大阪府大阪市で親権,交通事故問題に強い弁護士なら西横堀総合法律事務所

法律に関するコラム

初回無料

ご相談予約はこちら

全国対応 オンライン相談OK

06-4300-5725

受付時間:平日 8:30~17:30

メールで相談予約 LINEで相談
|

交通事故による内臓損傷や内臓破裂と後遺障害の認定基準について症状別に分かりやすく解説

交通事故による内臓破裂の説明

交通事故に遭った場合、事故の衝撃によっては内臓が損傷または破裂して、それによって内臓機能に深刻な後遺症が残ることがあります。

交通事故によって内臓に後遺症が残った場合は、速やかに後遺障害認定の申請手続きを進めなければなりません。

後遺障害認定を受けることで、相手方に対して後遺障害慰謝料や逸失利益の請求をすることができるため、被害回復のためには必ず行うべき手続きです。

内臓の後遺症に関する後遺障害認定の基準は臓器ごとに規定されており、どの後遺障害等級に認定されるかは内臓の部位や損傷の程度などによって細かく決められています。

ここでは、内臓の損傷や破裂による後遺障害認定の具体的な基準を臓器ごとに詳しく解説します。

事故相手から妥当な補償を受け、将来の不安を軽減させるためにも、ぜひこの記事を参考に適切な対処を検討してください。

Contents

内臓破裂とは

内臓破裂とは

内臓とは体内にある臓器の総称であり、内臓破裂は交通事故による衝突や転倒といった津陽衝撃により、内腔を持った臓器や実質臓器(内部に中身が詰まっている臓器)が破裂することをいいます。

日常生活で起こる外傷程度では、内臓が破裂することはなかなかありませんが、交通事故となると高速道路上での自動車同士の衝突や、自動車外では歩行者が自動車の車体に当たって受傷することで内臓破裂するケースで起こりえます。

部位別による内臓破裂・内臓損傷の後遺障害認定基準

内臓の機能障害によって認定される後遺障害等級は、部位ごとに分かれて決められています。

各臓器ごとに表にまとめましたので参考にしてください。

交通事故による肺損傷の例

肺は空気の出し入れをする換気機能と、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出をする呼吸機能の2つの主要な機能を有しています。

これらの機能を検査して呼吸器の後遺障害に関する等級を認定するのですが、後遺障害等級の検査方法がいくつかあります。

  • 動脈血酸素分圧と動脈血酸素ガス分圧検査
  • スパイメトリー測定

この2つの検査で十分に後遺障害を立証できない場合は、運動負荷試験が実施されます。

動脈血酸素分圧と動脈血酸素ガス分圧検査の結果による認定基準

動脈血を血液ガス自動分析装置にかけて、血液中の酸素や二酸化炭素の量、pH、HCO3-などを測定する検査です。

後遺障害等級動脈血酸素分圧動脈血酸素ガス具体的な症状
1級2号(別表第1)50Torr以下 -呼吸機能の低下により常時介護が必要な場合
2級2号(別表第1)50Torr以下 -呼吸機能の低下により随時介護が必要な場合
3級4号(別表第2)50Torr以下 -常時介護または随時介護を必要としない場合
1級2号(別表第1)50~60Torr限界範囲(37~43Torr)外呼吸機能の低下により常時介護が必要な場合
2級2号(別表第1)50~60Torr限界範囲(37~43Torr)外呼吸機能の低下により随時介護が必要な場合
3級2号(別表第2)50~60Torr限界範囲(37~43Torr)外常時介護または随時介護を必要としない場合
5級3号(別表第2)50~60Torr限界範囲内 -
7級5号(別表第2)60~70Torr限界範囲外 -
9級11号(別表第2)60~70Torr限界範囲内 -
11級10号(別表第2)70Torr以上限界範囲外 -

1.で認定された後遺障害等級が3級以上の場合は、2.3.による検査を行う必要はありません。

スパイロメトリー測定の結果による認定基準

スパイロメーターという測定器を用いて、肺活量や肺から出入りする空気の量、速度を測定します。

後遺障害等級呼吸困難の程度具体的な症状
3級(別表第2)高度呼吸困難のため、連続しておおむね100m以上歩けない
7級(別表第2)中等度呼吸困難のため、平地でさえ健常者と同様には歩けないが、自身のペースでなら1km程度の歩行が可能
11級(別表第2)軽度呼吸困難のため、健常者と同様には階段の昇降ができない

3.運動負荷試験

前述の「動脈血酸素分圧と動脈血酸素ガス分圧検査」および「スパイロメトリー測定」の検査で後遺障害を立証できないかった場合でも、呼吸機能の低下による呼吸困難が認められた際に実施される検査です。

この検査により心肺機能の異常とその程度を明らかにし、どの程度の運動が安全に行えるかを評価します。

明確な呼吸機能の障害がある場合は、後遺障害等級11級が認定されます。

循環器・心臓など

交通事故による循環器損傷の例

循環器・心臓の障害等級に関する症状は以下となります。

  • 心機能低下
  • 除細動器またはペースメーカーの植え込み
  • 房室弁または大動脈弁を置換
  • 大動脈解離

循環器を含む心臓機能の等級は、身体活動や身体運動の強度を表す単位であるMETs(メッツ)を使用して決定します。

安静時を基準とし、その何倍のエネルギーを消費するかで運動の強度を示します。

例えば、階段の昇降が3METs、10分以下のジョギングが6METs、ランニングが8METsといった具体的な数値があります。

心機能低下

後遺障害等級具体的な症状
9級11号(別表第2)心機能低下による運動耐容能の低下が中程度である場合(6METsを超える強度の身体活動が制限される場合、平地を急いで歩く、健康な人と同じような速度で階段を昇るなどの運動ができない状態の場合)
11級10号(別表第2)(8METsを超える強度の身体活動が制限される場合、平地を急いで歩くことには支障がないが、それ以上激しい身体活動ができない状態の場合)

除細動器またはペースメーカーの植え込み

除細動器は、心臓がけいれん(細動)している状態を電気刺激で取り除く医療機器で、ペースメーカは脈拍が遅くなる徐脈を治療するために電気信号を感知したり電気刺激を伝えたりするためのデバイスです。

後遺障害等級具体的な症状
7級5号(別表第2)除細動器を埋め込んだ場合
9級11号(別表第2)ペースメーカーを埋め込んだ場合

房室弁または大動脈弁を置換

房室弁または大動脈弁に異常が生じ、人工弁に置換する手術を行った場合の後遺障害等級認定基準です。

後遺障害等級具体的な症状
9級11号(別表第2)房室弁または大動脈弁を置換し、継続的に抗凝血薬療法を行う場合
11級10号(別表第2)房室弁または大動脈弁を置換し、継続的に抗凝血薬療法を行わない場合

大動脈解離

大動脈が縦に裂ける症状を大動脈解離といいます。

後遺障害等級具体的な症状
11級10号(別表第2)偽腔開存型の解離を残すもの

脾臓(ひぞう)

脾臓については、交通事故によって生じた脾臓破裂による出血が著しい場合、摘出手術が行われることがあります。

脾臓の完全な喪失が生じた場合にのみ等級が認定されます。

後遺障害等級具体的な症状
13級11号脾臓を失った場合

食道

食道は交通事故によって破裂した場合に幅が狭くなり、そのためうまく食べ物を胃に運べなくなった場合に等級が認定されます。

後遺障害等級具体的な症状
9級11号・通過障害の自覚症状がある
・消化管造影検査により、食道の狭窄による造影剤のうっ滞が認められた場合

交通事故による消化器損傷の例

胃の障害等級に関する症状は以下となります。

  • 消化吸収障害
  • ダンピング症候群
  • 胃切除後逆流性食道炎

症状の具体的な内容については以下の通りです。

消化吸収障害

  • 胃の全部を亡失したもの
  • 噴門部または幽門部を含む胃の一部を亡失し、低体重(BMI20以下、事故前からBMIが20以下の場合は事故前よりも体重が10%以上減った者)

ダンピング症候群

  • 胃の全部、または幽門部を含むいいの一部を亡失したもの
  • 食後30分以内に出現する目眩、規律不能などの早期ダンピング症候群に起因する症状、または食後2~3時間後に出現する全身の脱力感やめまいなどの晩期ダンピング症候群に起因する症状が認められる

胃切除後逆流性食道炎

  • 胃の全部または噴門部を含む一部を亡失
  • 胸やけ、胸痛、嚥下困難など胃切除後逆流性食道炎を起因とする自覚症状があること
  • 内視鏡検査により食道にびらん、潰瘍などの胃切除後逆流性食道炎を起因する所見が認められること

胃の機能障害の後遺障害等級の認定基準は以下となります。

後遺障害等級具体的な症状
7級5号(別表第2)消化吸収障害、ダンピング症候群、胃切除術後逆流性食道炎の「いずれも」が認められる場合
9級11号(別表第2)・消化吸収障害およびダンピング症候群が認められる場合
・消化吸収障害および胃切除術後逆流性食道炎が認められる場合
11級10号(別表第2)消化吸収障害、ダンピング症候群、胃切除術後逆流性食道炎の「いずれか」が認められる場合
13級11号(別表第2)噴門部または幽門部を含む胃の一部を亡失した場合

小腸

小腸の機能障害の主な症状は以下になります。

  • 小腸を大量に切除
  • 人口肛門の造設
  • 小腸皮膚ろうが残る
  • 小腸の狭窄が残る

各症状の後遺障害等級の認定基準は以下となります。。

小腸を大量に切除

後遺障害等級具体的な症状
9級11号(別表第2)残存する空腸及び回腸の長さが100cm以下になった場合
11級10号(別表第2)残存する空腸及び回腸の長さが100cm以上~300cm未満になったものであって、消化吸収障害が認められる場合(低体重が認められる場合)

人口肛門の造設

後遺障害等級具体的な症状
5級3号(別表第2)小腸内容が漏出することによりストマ周辺に著しい皮膚のびらんを生じ、パウチ等の装着ができない場合
7級5号(別表第2)人口肛門を装着したもののうち、5級3号(別紙第2)に当てはまらない場合

ストマ(ストーマ)とは、手術によって腹部に作られた便の排泄口のことをいいます。

小腸皮膚瘻が残る

小腸皮膚瘻(しょうちょうひふろう)とは小腸内容が皮膚に開いた穴から出てくる状態のことをいいます。

後遺障害等級具体的な症状
5級3号(別表第2)瘻孔から小腸内容の全部または大部分が漏出するもののうち、小腸皮膚ろう周辺に著しいびらんを生じ、パウチ等の装着ができない場合
7級5号(別表第2)・瘻孔から小腸内容の全部または大部分が漏出し、5級3号の基準に該当しない場合
・瘻孔から漏出する小腸内容がおおむね1日100ml以上で、パウチなどによる維持管理が困難な場合
9級11号(別表第2)瘻孔から漏出する小腸内容がおおむね1日100ml以上で、7級5号の基準に該当しない場合
11級10号(別表第2)瘻孔から少量ではあるが明らかに小腸内容が漏出する場合

小腸の狭窄が残る

小腸の狭窄が残る状態とは、以下の2つの条件を同時に満たす状態をいいます。

  • 1か月に1回程度、腹痛、腹部膨満感、吐気、嘔吐などの症状がある
  • 単純X線像において、多数の輪状のひだ(ケルクリングひだ像)が認められる場合
後遺障害等級具体的な症状
11級10号(別表第2)小腸に狭窄が残る

大腸

交通事故による大腸損傷の例

大腸の障害等級に関する症状は以下となります。

  • 大腸を大量に切除
  • 人口肛門の造設
  • 大腸皮膚瘻が残る
  • 大腸の狭窄が残る
  • 便秘が残る
  • 便失禁

各症状の後遺障害等級の認定基準は以下となります。。

大腸を大量に切除

後遺障害等級具体的な症状
11級10号(別表第2)結腸のすべてを切除するなどの大腸の殆どを切除した場合

人口肛門の造設

後遺障害等級具体的な症状
5級3号(別表第2)大腸内容が漏出することによりストマ周辺に著しい皮膚のびらんを生じ、パウチ等の装着ができない場合
7級5号(別表第2)人口肛門を装着したもののうち、第5級3号に該当しないものの場合

大腸皮膚瘻が残る

後遺障害等級具体的な症状
5級3号(別表第2)瘻孔から大腸内容の全部または大部分が漏出し、大腸皮膚瘻周辺に著しいびらんが生じ、パウチなどの装着ができない場合
7級5号(別表第2)・瘻孔から大腸内容の全部または大部分が漏出し、5級3号の基準に該当しない場合
・瘻孔から漏出する大腸内容がおおむね1日100ml以上で、パウチなどによる維持管理が困難な場合
9級11号(別表第2)瘻孔から漏出す大腸内容がおおむね1日100ml以上で、7級5号の基準に該当しない場合
11級10号(別表第2)瘻孔から少量ではあるが明らかに大腸内容が漏出する場合

大腸の狭窄が残る

大腸の狭窄が残る状態とは、以下の2つの条件を同時に満たす状態を言います。

  • 1か月に1回程度、腹痛、腹部膨満感などの症状がある
  • 単純X線像において、貯留した大量のガスによって結腸膨起像が相当区間認められた場合
後遺障害等級具体的な症状
11級10号(別表第2)大腸に狭窄が残った場合

便秘が残る

便秘が残る状態とは、以下の2つの条件を同時に満たす状態を言います。

  • 排便反射を支配する神経の損傷がMRIやCTなどにより確認できること
  • 排便頻度が週2回以下であり、恒常的に硬便と認められる状態
後遺障害等級具体的な症状
9級11号(別表第2)用手摘便(直腸に指を入れて便を排出させるケア)を要するとみとめられる場合
11級10号(別表第2)便秘が残るもので9級11号に該当しない場合

便失禁

便失禁とは、自分の意思で便を出そうとしていないのに便が漏れるなど、普通便のコントロールがうまくいかない状態をいいます。

後遺障害等級具体的な症状
7級5号(別表第2)完全便失禁を残す場合
9級11号(別表第2)常時おむつの装着が必要であり、7級5号の基準に該当しない場合
11級10号(別表第2)常時おむつの装着が必要ではないものの、明らかに便失禁があると認められる場合

肝臓

交通事故による肝臓損傷の例

交通事故で肝臓を損傷した場合、肝硬変や慢性肝炎といった症状が起こる場合があります。

肝硬変:肝臓に長く炎症が起こり、肝細胞の破壊と再生が繰り返されることにより肝臓が固くなる病気

慢性肝炎:肝臓の炎症が6カ月以上続いている状態

後遺障害等級具体的な症状
9級11号(別表第2)肝硬変であり、ウイルスの持続感染が認められ、かつGOT・GPTが持続的に低値である場合
11級10号(別表第2)慢性肝炎であり、ウイルスの持続性感染が認められ、かつGOT・GPTが持続的に低値である場合

胆のう

胆のうについては、完全に亡失した場合に限り13級11号に認定される可能性があります。

膵臓

膵臓の障害等級に関する症状は以下となります。

  • 外分泌機能の障害
  • 内分泌機能の障害

症状の具体的な内容については以下の通りです。

外分泌機能の障害

  • 上腹部痛、脂肪弁、頻回の下痢などの外分泌機能の低下による症状が認められる場合
  • 膵臓の一部切除した場合
  • BT-PABA(PFD)試験で異常低値(70%未満)を示した場合
  • ふん便中キモトリプシン活性で異常低値(24U/g未満)を示した場合
  • アミラーゼまたはエラスターゼの異常低値を認めた場合

内分泌機能の障害

  • 別日に行った経口糖負荷試験で境界型または糖尿病型であることが2回以上確認された場合
  • 空腹時血漿中のC-ペプチド(CPR)が0.5ng/ml以下である場合
  • Ⅱ型糖尿病に該当しない場合

各症状の後遺障害等級の認定基準は以下となります。

後遺障害等級具体的な症状
9級11号外分泌機能の障害と内分泌機能の障害の両方が認められた場合
11級10号外分泌機能の障害または内分泌機能の障害のいずれかが認められる場合
12級13号もしくは14級9号軽微な膵液瘻を残したために皮膚に疼痛等を生じた場合

腎臓

交通事故による腎臓損傷の例

腎臓の後遺等級障害については、

  • 腎臓の亡失の有無
  • 糸球体ろ過値(GFR)による腎機能の低下

の程度によって評価されます。

GFR値とは、1分間に腎臓にある糸球体が血液をろ過して尿を作った量を示す値のことで、腎臓の働きを見る指標になります。

片側の腎臓を亡失した場合と亡失していない場合に分けて後遺障害認定基準を説明します。

片方の腎臓を亡失した場合

後遺障害等級具体的な症状
7級5号(別表第2)GFR値が31~50ml/分の場合
9級11号(別表第2)GFR値が51~70 ml/分の場合
11級10号(別表第2)GFR値が71超~90 ml/分の場合
13級11号(別表第2)GFR値が91超ml/分の場合

片方の腎臓を亡失していない場合

後遺障害等級具体的な症状
9級11号(別表第2)GFR値が31~50ml/分の場合
11級10号(別表第2)GFR値が51~70ml/分の場合
13級11号(別表第2)GFR値が71~90 ml/分の場合

膀胱・尿管・尿道

膀胱・尿管・尿道の障害等級に関する症状は以下となります。

  • 尿路変更術が行われた場合
  • 排尿障害が残る場合
  • 畜尿障害が残る場合

症状の具体的な内容については以下の通りです。

尿路変更術

尿路変向術とは、通常腎臓、尿管、膀胱、尿道の順で尿を排出する「尿路」の機能が損なわれ、膀胱や尿管などが損傷した場合に行われる外科手術であり、この手術により尿を排出するための新しい経路が作られます。

排尿障害・畜尿障害

排尿サイクルの過程において膀胱が尿を貯め、それを体外に排泄するという正常な流れに異常が生じた状態を指します。

この異常は大まかに排尿障害(尿がうまく出せない)と畜尿障害(尿をうまく貯められない)の2つに分けられます。

尿路変更術が行われた場合

後遺障害等級具体的な症状
5級3号(別表第2)非尿禁制型尿路変更術を行ったもののうち、尿の漏出することでストマ周辺に著しいびらんを生じ、パッド等の装着ができない場合
7級5号(別表第2)非尿禁制型尿路変更術を行ったもののうち、非尿禁制型尿路変更術を行った場合非尿禁制型尿路変更術を行ったもののうち、禁制型尿リザボアの術式を行った場合
9級11号(別表第2)尿禁制型尿路変更術を行ったもののうち、禁制型尿リザボア及び外尿道口形成術を除く場合
11級10号(別表第2)非尿禁制型尿路変更術を行ったもののうち、外尿道口形成術を行った場合尿道カテーテルを留置した場合

排尿障害が残る場合

後遺障害等級具体的な症状
9級11号(別表第2)残尿が100ml以上である場合
11級10号(別表第2)残尿が50~100ml未満である場合尿道狭窄により、糸状ブジーを必要とする場合
14級相当(別表第2)尿道狭窄により、糸状ブジー第20番が辛うじて通り、時々拡張術を行う必要がある場合

畜尿障害が残る場合

後遺障害等級具体的な症状
7級5号(別表第2)尿失禁のうち、持続性尿失禁を残す場合尿失禁のうち、切迫性尿失禁及び腹圧性尿失禁のため、終日パッド等を装着し、かつパッドをしばしば交換する必要がある場合
9級11号(別表第2)尿失禁のうち、切迫性尿失禁または腹圧性尿失禁のため、常時パッド等を装着する必要があるが、パッドの交換を要しない場合
11級10号(別表第2)尿失禁のうち、切迫性尿失禁または腹圧性尿失禁のため、パッドの装着は必要ではないものの下着が少し濡れる場合頻尿(多飲などの原因がなく日中8回以上の排尿がある場合)

生殖器:男性

交通事故による男性器の損傷で障害等級に関する症状は以下となります。

  • 生殖機能が完全に喪失
  • 生殖機能に著しい障害
  • 生殖機能に軽度の障害

各症状の後遺障害等級の認定基準は以下となります。

生殖機能が完全に喪失

後遺障害等級具体的な症状
7級13号両側の睾丸を失った場合
7級相当常態として精液中に精子が存在しない場合(放射能被ばくを前提としたものであり、交通事故では通常想定されません)

生殖機能に著しい障害

生殖機能に著しい障害の程度とは、「生殖機能は残っているものの、通常の性交では生殖ができない」程度をいいます。

具体的な症状は、陰茎の欠損、勃起障害、射精障害の3つが挙げられ、そのうち勃起障害とは次のいずれかの症状を満たすものを指します。

  • 夜間睡眠時に十分な勃起がないことがリジスキャンによる夜間陰茎勃起検査によって証明される場合
  • 神経系検査または血管系検査で支配神経の損傷などといった勃起障害の起因となりうる所見が認められる場合
後遺障害等級具体的な症状
9級17号(別表第2)陰茎の大部分を欠損したもの=陰茎を膣に挿入することができないと認められる場合
勃起障害を残す場合
尿道または射精管が断裂している場合
両側の下腹神経の断裂により当該神経の機能が失われている場合
膀胱頚部の機能が失われている場合

生殖機能に軽度の障害

軽度の障害とは、通常の性交を行うことができますが、生殖機能にわずかな障害が残る場合に相当します。

後遺障害等級具体的な症状
13級相当片方の睾丸を失った場合、または亡失に準ずべき程度に睾丸が委縮している場合

生殖器:女性

交通事故による女性器損傷の例

女性器は男性器と同じく生殖器であるため、後遺障害と認められる要件は男性器の場合とそれほど変わりません。

生殖機能が完全に喪失

後遺障害等級具体的な症状
7級相当両側の卵巣を失った場合常態として卵子が形成されない場合(放射能被ばくを前提としたものであり、交通事故では通常想定されません)

生殖機能に著しい障害

後遺障害等級具体的な症状
9級17号(別表第2)膣口狭窄のため男性器の挿入が困難であると医師が認めた場合
両卵巣の閉塞、頚管の狭窄、または子宮の亡失を画像所見で立証が可能な場合

生殖機能に障害があるもの

後遺障害等級具体的な症状
7級10号(別表第2)狭骨盤または比較的狭骨盤が認められるもの(比較的狭骨盤は産科的真結合線が10.5cm未満、または入口部横径が11.5cm未満の場合認められる)

産科的真結合線は、通常出産時に胎児が通れるかどうかが判断基準になります。

生殖機能に軽微な障害

後遺障害等級具体的な症状
13級11号片方の卵巣を失った場合
12級13号もしくは14級9号外性器の外傷後の瘢痕による膣口狭窄により、男性器の挿入が困難ではないものの、膣口に残る瘢痕(はんこん)により性交時に疼痛が生じる場合

内臓の機能障害の賠償金請求は弁護士への依頼がおすすめの理由

内臓の機能障害の賠償金請求は弁護士への依頼がおすすめの理由

交通事故での示談とは、お互いの賠償義務について話し合い、合意により事件を解決する手段です。

通常、示談後に追加で賠償請求を行うことは原則として認められないため、後々示談金額に納得がいかなかったとしても、示談後であればどうすることもできません。

したがって、加害者または相手方の保険会社から提示された示談内容には慎重に対応する必要があります。

  • 相手方の保険会社から提示された示談内容で問題はないか?
  • 提示された示談金は適切なのか?
  • 請求できる賠償金に漏れがないか心配

など、複雑なことや分からないことが多くて不安になるものです。

そのような不安を感じる場合は、交通事故の専門家である弁護士が不安を解消してくれます。

慰謝料の増額が見込める

弁護士に依頼することで、正当な後遺障害等級が認定される可能性が高まります。

医療知識と法的知識を組み合わせ、慰謝料を適切な相場まで増額させることができます。

クライアントの利益を最大限に守るために活動することが期待できるでしょう。

交通事故の示談交渉に強い弁護士が窓口になってくれる

交通事故問題に熟知した弁護士は、後遺障害等級認定の申請において重要なポイントや戦略を熟知しています。

加害者側の任意保険会社とのやりとりを専門的な知識を持った弁護士に任せることができるので、被害者側が不利な条件になることはありません。

時に弁護士は医師と協力して、診断書や関連する資料の内容を調整することもあります。

正しい過失割合を主張してくれる

加害者側の任意保険会社が提示する過失割合は決して正しいものだとは限りません。

しかし弁護士に依頼すれば、正確な過失割合を算出してくれるため、任意保険会社に納得のいく過失割合を主張してくれるでしょう。

通院頻度や治療費打ち切りへの対応も任せられる

交通事故によるケガの治療中には、「加害者側の任意保険会社から治療費の打ち切りを打診される」というトラブルが発生することがあります。

治療費が打ち切られれば、治療費を被害者が一時的に立て替える必要が出てきますが、打ち切られた治療費が全額返ってくるかどうかは任意保険会社との交渉次第です。

そのような場合でも弁護士に依頼すれば、加害者側の任意保険会社に対して治療費打ち切りの延長交渉を行ってくれます。

強引に治療費が打ち切られた場合も、その後の対応や治療費のまかない方に関するアドバイスを受けることができるのです。

弁護士費用も弁護士特約を使えば安心

自動車保険や火災保険、クレジットカードなど、様々な保険に付帯されている特約の中に弁護士特約というものがあります。

これは保険会社が弁護士費用の一部を負担するもので、この特約を利用すれば通常被害者が支払う必要がある弁護士費用や相談料を、保険会社が一定額まで負担してくれるのです。

一般的には、弁護士費用の総額が300万円まで、相談料が10万円までとなっています。

被害者側がこの特約を利用することで、自身が負担する弁護士費用を大幅に軽減することができます。

弁護士費用特約は被害者本人の保険だけでなく、被害者の家族が加入している保険にも付帯されていることがあることと、保険契約の状況は変わることを含めて「弁護士特約が付帯されているかどうか」を確認しましょう。

交通事故で内臓損傷・内臓破裂の後遺障害でお困りの方はご相談ください

交通事故による
後遺障害に詳しい弁護士

交通事故による内臓損傷や内臓破裂は重篤な傷害で、後遺障害も複雑で難解です。

そのような怪我を負った被害者が自ら等級を判断することは容易ではないですし、法的な専門知識を持ち、医療にも通じた弁護士の助言が必要です。

弁護士に依頼すれば、後遺障害等級認定から相手方の任意保険会社との示談まで、全てを任せることができます。

後遺障害等級認定の知識が豊富な弁護士に相談・依頼することが最善の選択です。

お困りの方はお気軽にご相談ください。

交通事故による内臓損傷・内臓破裂時の慰謝料に関するトラブルのことなら大阪の弁護士「西横堀総合法律事務所」へご相談を

  • 西横堀総合法律事務所
  • 〒550-0003 大阪府大阪市西区京町堀1丁目4−22 肥後橋プラザビル 10F
  • 電話番号:06-4300-5725
  • 営業時間:平日8:30~17:30
  • URL:https://nishiyokobori-lawoffice.jp/

この記事の監修者

大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
交通事故による内臓損傷・内臓破裂の慰謝料に関することなら、どうぞお気軽にご相談ください。