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死亡事故の直後は何したらいい?家族が交通事故で死亡した際の解決までの流れや手続きについて

「死亡事故により大切な家族を失った、何にどのように対応すれば良いのかわからない」

「遺族として適切に損害賠償金を受け取りたいので、事故後の具体的な流れについて知りたい」

「精神的なショックが大きく、加害者や保険会社とやり取りする自身がない」

交通事故で家族を失った場合、家族を失った悲しみにより冷静に対応できない、そのような状況に陥っている遺族の方が多いことと思います。

しかし、遺族としては適切に損害賠償金を受け取ることが亡くなった被害者のためにも大事なことです。

ここでは、死亡事故が発生した後に上記のような思いを抱えている遺族の方に向けて、事故後の対応方法や避けた方が良い対応、弁護士に依頼するメリットなどについて詳しく解説します。

具体的な流れや手続き、注意点などを理解して、納得できる形で解決できるようにしましょう。

死亡事故直後に家族がとるべき対応5ステップ

交通事故死の後の家族の対応

死亡事故直後、残された家族としては何にどう対応したら良いか、頭が追い付かないでしょう。

状況を冷静に受け止めることが難しいなか、交通事故の直後家族としては以下のように対応していくことになります。

葬儀の手配と葬儀までに必要な手続きをしておく

交通事故で被害者である家族が亡くなった場合、遺族は最初に葬儀の手配と葬儀までに必要な手続きを行なうことになります。

葬儀までに必要な手続きには、以下が挙げられます。

  • 死亡診断書の作成
  • 葬儀会社の手配
  • 葬儀の段取りについて決定
  • 死亡届の提出
  • 火葬許可の申請

はじめに死亡診断書を医師に作成してもらいましょう。

死亡診断書は、下層許可申請や死亡届の提出、保険の手続きの際に必要となります。

死亡診断書の作成が済んだら、どこの葬儀社に依頼するかを決め、葬儀に関する打ち合わせなどを行ないます。

死亡届の提出や火葬許可の申請は、葬儀社が代行してくれることも可能なので確認しておきましょう。

どちらも提出期限は7日以内となっているので、死亡診断書が作成できた時点で早めに手続きをしなければなりません。

葬儀には、加害者が参列する可能性があるため、来てほしくない場合は保険会社などを通じて連絡しておくと安心です。

参照:小さなお葬式 死亡後手続き一覧を図解で解説|家族が亡くなったらするべきこと(チェックリスト付き)

被害者が加入している保険会社に連絡をする

警察や加害者から交通事故当時の話を聞いて情報を集めることができたら、次に被害者が加入している保険会社に事故のことを伝えましょう。

保険会社からは、示談交渉が始まる時期や車両保険などからの保険金支払いの有無について説明があります。

その他、医療保険や生命保険などから保険金を受け取れることもあります。

保険の契約は複雑なので、各保険会社に問い合わせて詳細を確認しておきましょう。

事故に関する情報を集める

死亡事故直後は、まず事故の状況を把握するために情報を集めましょう。

事故当時の様子については、警察から詳しい説明を受けることになります。

このとき、警察だけでなく、可能であれば加害者や目撃者からも話を聞けると良いです。

加害者が加入する自動車保険の確認

加害者から事故当時の話を聞く際は、加害者が加入している自動車保険についての確認も忘れずにしておきましょう。

交通事故が発生した場合、多くのケースにおいて加害者が加入する保険会社から遺族に対して連絡が来るようになっています。

しかし、中には保険会社から連絡が来ない場合があるので、そのようなとき速やかに対応できるよう、自動車保険について尋ねておくことが大切です。

保険会社が分からないときは弁護士に相談して調査してもらうことになるため、時間が掛かるでしょう。

慰謝料などの賠償金の相場を確認する

死亡事故が発生した後、遺族は加害者側と示談交渉を行なう必要があります。

示談交渉が納得のいく形に落ち着くよう、遺族としては慰謝料など賠償金の相場を知っておくことが大事です。

相場を知らずに示談交渉に進むと、実際に受け取れる額よりは少ない賠償金になる恐れがあります。

一家の大黒柱であった人を亡くした場合、その後の家族の経済面において大きな影響を及ぼします。

遺族が少しでも穏やかに過ごせるよう、賠償金をはじめとした慰謝料は適切に受け取るべきです。

そのためにも、最新の相場を調べた上で示談へ進むようにしましょう。

交通事故案件に詳しい弁護士に相談する

死亡事故が発生した後、家族は大きなショックを受けているなかで手続きや日々の生活に追われることになります。

このような状況のなか、示談交渉を行なうことは大きな負担となるでしょう。

そして最も高額になる弁護士基準で賠償金を獲得することは、弁護士でない場合非常に困難です。

示談交渉に入ると分かった時点で信頼できる弁護士を見つけておくと、遺族は生活の立て直しなどに集中することができます。

交通事故で家族を亡くして損害賠償金を請求できる状況になったら、できるだけ早く交通事故案件に詳しい弁護士に相談してください。

葬儀後に遺族がすべき手続きについて

葬儀後の遺族の手続き

交通事故で被害者が亡くなったとき、気持ちの整理もつかないまま葬儀の日を迎え、その後は何から対応すべきか悩んでしまうことでしょう。

そこで、葬儀を終えた後、遺族は次にどのような手続きを行なえば良いのか解説します。

被害者に関する公的な手続き

葬儀を終えた後、遺族はまだ残っている様々な手続きについて進めていきます。

加入している保険の内容や年金受給状況、被害者が世帯主であるかなどによって必要な公的手続きが変わってくるので、以下をご覧ください。

被害者に関する公的な手続き内容の一部を記載します。

  • 住民票の世帯主変更届
  • 公的年金の資格喪失・受給停止・未支給の年金請求
  • 雇用保険受給資格者証の返還
  • 国民年金の死亡一時金請求
  • 遺族年金の受給請求

刑事手続き

交通事故が発生したとき、警察は加害者と被害者の両方から聞き取りを行ない供述調書を作成し、事故現場の実況見分を行ないます。

死亡事故の場合は被害者に聞き取りができないので、代わりに遺族が聞き取りを受けることになります。

被害者の生前の様子などについて警察から聞かれるので、都度対応していきましょう。

その後、加害者が刑事事件として起訴された際には、遺族は被害者参加制度を利用して刑事裁判に参加することができます。

刑事裁判で遺族として意見を述べられるので、被害者の気持ちを裁判官に直接訴えることができます。

事故後の聞き取りを終えた後に刑事事件へと発展した場合には、遺族も裁判に参加できることを理解しておきましょう。

保険会社との示談交渉

四十九日を終えた頃、保険会社から損害賠償金についての提示が行なわれます。

事故直後は、保険会社に連絡をすると同時に慰謝料などの相場を確認するところまで対応しておきましょう。

保険会社から提示される賠償額をよく調べて、相場に沿っているか、妥当な額であるかを考え示談に応じるか検討しましょう。

示談に応じるとその後追加で賠償金を請求することはできないので、提示された額面に納得がいかない場合は速やかに弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談すると、法的な根拠をもとに賠償金の増額が期待できるケースがあります。

生命保険などの民間サービスの内容確認や手続き

交通事故の被害者が生命保険に加入していた場合は、死亡保険金の受取人に指定されている人は保険会社に死亡保険金を請求することができます。

被害者が加入していた生命保険があれば、その詳細を確認しておきましょう。

生命保険以外の民間サービスの内容確認や手続きについても同様です。

運転免許証の返還や賃貸契約の解約・変更、ガス・水道・電気の解約・契約変更、携帯電話の解約など、必要な手続きを一つずつ進めていきましょう。

相続に関する問題の解決

交通事故で被害者が亡くなった場合、その人の財産は相続人に相続されることになります。

急な事故では、被害者が遺言書を作成することが難しいです。

そのような場合は、原則として法定相続割合に基づいて遺産が分割される形になります。

相続人の間で遺産分割協議を行ない、財産を誰にどれくらい分割するかを話し合います。

交通事故における損害賠償金についても相続の対象になるため、その分も含めて協議を進め相続問題を解決する必要がある点を把握しておきましょう。

死亡事故直後にしてはいけない対応

交通事故直後

死亡事故直後、遺族は大きなショックを受けている状態である中、正しい判断をすることが難しい場合もあります。

誤った判断をしないよう、死亡事故直後にしてはいけない対応についても確認しておきましょう。

事故状況が明らかになっていない中で不利な内容を認めてしまう

死亡事故直後、連絡を受けた家族は大きなショックを受けて放心状態となっていることでしょう。

気が動転し、正しく思考・判断するのが難しい場合も多いです。

そのような状態にあるとき、警察や加害者に対して被害者の落ち度を口にしてしまう恐れがあります。

また、加害者側が「相手のスピードが出すぎていた」、「相手がいきなり飛び出してきた」と言うと、あの人ならそういうことがあったかもしれないと認めそうになることもあるでしょう。

しかし、事故の状況をきちんと把握しておらず納得できていない状態で加害者側の言い分を認めるようなことは絶対しないようにすべきです。

実際の事故の状況では加害者の方に非があるのに、一方的な言い分によってそれが正当化され、過失割合で被害者側に不利な内容になることがあるのです。

話す際は慎重に言葉を選ぶようにしましょう。

示談書にすぐにサインしてしまう

死亡事故が発生した後の示談交渉は、四十九日の法要が終わったころから始まります。

最初の流れとしては、加害者側の保険会社から示談案を提示されることが多いです。

このとき、提示された示談書にすぐにサインしないようにしましょう。

遺族としては保険会社は妥当な額面を提示しているだろうと受け止めてしまいますが、実際には低めに設定された賠償額が提示されていることが多いのです。

このことに気づかないまま示談書にサインすると、その後賠償金の増額を主張しても、すでに示談が成立していると言われ応じてもらえなくなります。

死亡事故において損害賠償請求を行なうときの注意点

賠償請求の注意点

交通事故被害者の遺族としては、事故の状況をよく確認した上で適切な損害賠償金を受け取ることが残された者の役目と言えます。

事故の状況によって異なる損害賠償の内容ですが、請求を行なう際にいくつか押さえておきたい注意点があるので以下をご確認ください。

死亡逸失利益を計算する

交通事故で被害者が亡くなった際、その被害者が将来得られたであろう収入を損害として請求することが可能です。

このことを、死亡逸失利益といいます。

死亡逸失利益は、以下に記載する計算式に基づいて計算を行ないます。

死亡逸失利益=基礎収入×就労可能年数に対するライプニッツ係数×(1-生活費控除率)

計算式の中にある基礎収入は、前年の収入を基準に計算するのが一般的です。

事故の被害者が子どもや学生であった場合は、賃金センサスの平均賃金から死亡逸失利益を計算することになります。

働いていない高齢者などについても、平均賃金の何割かを用いて計算できることがあるので、被害者の年齢や就労状況によって正しく死亡逸失利益を計算することが大事です。

死亡逸失利益は、交通死亡事故における損害賠償のなかでも高額になる項目です。

適切な賠償金を受け取れるよう、法律などに詳しい弁護士に相談しながら進めていきましょう。

死亡慰謝料について詳細を確認する

交通事故で被害者が亡くなったときは、死亡慰謝料を請求することができます。

死亡慰謝料の金額は、基準に基づいて決定します。

ただし、裁判所の判断により額が前後する可能性もあるため、その点も理解しておきましょう。

死亡慰謝料の基準は、以下の通りです。

被害者の属性弁護士基準の慰謝料額
一家の大黒柱2,800万円
配偶者、母親2,500万円
その他2,000万円~2,500万円

死亡慰謝料の基準は上記のように定められていますが、加害者が飲酒運転や無免許運転であったときなどは慰謝料が増額されることがあります。

明らかな信号無視や極度なスピード違反など、事故の状況によって死亡慰謝料の額が変わってくる場合があるのです。

過失割合を適正に算定する

交通事故で被害者が死亡した際、加害者と行なう過失割合の交渉のときには不利になることがあります。

亡くなってしまった被害者は一言も発することができないなか、加害者側から一方的に不利な過失割合を押し付けられることがあるので、そのような事態は避けなければいけません。

遺族としては、小さなことであっても情報を集めて証拠を揃えるようにしましょう。

過失割合の証拠を検討していくとき、防犯カメラの映像やドライブレコーダー、目撃証言などが参考になります。

死亡事故解決のために弁護士に依頼するメリット

死亡事故を弁護士に頼るメリット

交通死亡事故が発生すると、遺族としては気持ちの整理がつかないまま様々な対応や手続きに追われることになります。

加害者や保険会社とのやり取りで辛い思いをすることもあるでしょう。

経済的な面で、今後どのように生活をしていけば良いか悩んでいる人もいるはずです。

そのような悩みや不安については、弁護士に相談することで解消される場合があります。

死亡事故をスムーズに解決するためにも、弁護士は強い味方となってくれます。

ここでは死亡事故に関して弁護士に依頼するメリットをご紹介しましょう。

証拠書類を揃えて過失割合を調べてもらえる

交通事故では、被害者と加害者の過失割合を考えて損害賠償の内容が決まります。

この過失割合について、死亡事故である場合は被害者が直接訴えることができません。

加害者からの一方的な言い分によって、被害者にも過失があったとされてしまう恐れもあります。

そのような事態にならないよう、弁護士は警察が提供する証拠や目撃証言などから正しく過失割合を判断してくれるのです。

被害者にとって不利にならないように、証拠を確認しながらしっかりと調査を行ない適正な過失割合を出してもらえます。

賠償金額を適正に算出して相手に請求してくれる

交通事故においては、死亡慰謝料などの損害賠償金について保険会社から提示されます。

保険会社は各社が定める支払い基準から賠償金額を算出しているので、弁護士基準より低く設定されていることが殆どです。

弁護士であれば、弁護士基準に基づいて賠償金額を算定してくれるため、大幅な増額も見込める場合があります。

少しでも多くの賠償金を受け取れるようにしたい、残された家族の生活が苦しいときにも、弁護士に相談するとより多くの賠償金を受け取れることになるのです。

精神的な負担を減らすことができる

交通死亡事故が発生した後、遺族は加害者と直接話したり保険会社とやり取りをしなければなりません。

しかし、加害者と顔を合わせたくない、保険会社との示談交渉がうまくできるか不安など、精神的に負担を感じるケースも多いです。

悲しみに打ちひしがれているなか、適切・スムーズに手続きを進めるのは困難です。

弁護士に依頼すれば、それらの加害者や保険会社とのやり取りをすべて引き受けてくれます。

交通事故案件に詳しい弁護士に相談すると、保険会社との示談交渉においても有利に進めてもらえるので頼もしいです。

また、残された家族の悲しみやこれからの生活を考えたときの不安について弁護士に打ち明けることもできます。

遺族の精神的な負担を減らせるのが、弁護士に依頼する大きなメリットと言えるのです。

裁判で戦う際にもサポートしてもらえる

保険会社によっては譲歩しようとせず、遺族としても納得できないケースもあります。

このような場合は訴訟を起こして裁判で戦うことになりますが、裁判になった際にも弁護士が全力でサポートしてくれるので安心です。

遺族と相談を重ねながら、訴訟を起こした際に受け取れる可能性の高い賠償金について詳細を伝えてくれます。

死亡事故後の手続きや不安は弁護士に相談して無事に解決しましょう

亡くなった家族の墓参り

死亡事故が発生したとき、遺族は冷静に物事を判断することができず、何から対応すべきか整理することが難しいです。

精神的に大きなショックを受けているなかでの示談交渉となると、提示された賠償金の額面が妥当であるかどうかを判断することもできません。

不利な結果になっているにも関わらず、それに気づくことなく示談交渉を終えてしまうことも考えられます。

死亡事故後の対応に戸惑い、不安を感じているときは交通事故案件に詳しい弁護士に相談してみましょう。

弁護士は、遺族の思いをしっかり受け止めて、証拠をもとに交通事故を解決してくれます。

交通事故によるトラブルに関することなら大阪の弁護士「西横堀総合法律事務所」へご相談を

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この記事の監修者

大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
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