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交通事故の後遺障害とは?後遺障害等級認定について分かりやすく解説

この記事の監修者
大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
交通事故による後遺障害や後遺障害認定のことでお困りごとがございましたら、どんな些細なことでもかまいませんので、一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。

後遺障害等級について考える男性

交通事故では、その状況によってどのような怪我を負うかわかりません。
できるだけ早く病院へ行き治療を始めるのが望ましいですが、治療を続けても症状が改善されないケースもあります。
結果、後遺障害として残り、日常生活に支障をきたすことも多いです。
そのときに問題になるのが、後遺障害等級の認定です。
交通事故による後遺症を後遺障害として認めてもらうことで、その後の生活を保障してもらえる賠償金の受け取りにも関係してくるため、後遺障害等級や具体的な流れなどについて理解しておきましょう。

 

後遺障害等級について

後遺障害等級の項目

後遺障害等級とはどのようなものなのか、詳しく解説していきます。

後遺障害等級とは

後遺障害等級は、後遺障害に関する賠償金の算定の目安になるものです。
等級は1~14級まであり、後遺障害の内容や重さによって認定される等級が異なります。
140種類、35系列もの後遺障害に細かく分類されているのも特徴です。
治療を続けたけれど後遺障害として残ってしまったとき、後遺障害等級認定を受け申請をすることで賠償金を受け取ることができます。
後遺症と後遺障害という言葉がありますが、後遺障害は後遺症のなかでも交通事故が原因であると証明されているもののことをいいます。
一般的に後遺症と呼ばれるものは、病気や怪我の治療後に残った障害のことを示していますが、交通事故により労働能力が低下し、等級にも該当するのが後遺障害です。

後遺障害等級の認定は誰が行なう?

後遺障害の内容により1級~14級に分かれている等級ですが、何級であるか認定を行なうのは誰なのでしょうか?
後遺障害等級の認定は、損害保険料率算出機構(加害者の保険会社が加盟している場合)や自賠責保険、共済保険紛争処理機構などで行なわれます。
それぞれの機関にて診断書などの書類をもとに審査をし、何級に該当するかを判断していきます。
書類がすべてを伝えてくれるものとなるため、間違いのないよう、細かい部分も確認することが重要です。
書類内容が間違っていたり曖昧である場合、適切に認定してもらえないケースがあるため注意が必要です。

 

後遺障害等級に関する申請や認定までの流れ

後遺障害等級は、交通事故後の生活が少しでも安定するよう保障してもらうために必要なことです。
ここでは、後遺障害等級の申請はいつすべきなのか、その方法や認定までの流れについて詳しく紹介します。

後遺障害等級の申請を行なうタイミング

後遺障害等級の申請は、治療をしたけれどこれ以上回復が見込めない、つまり症状固定となったときに行なうことができます。
具体的にどのような症状が残ってしまったのかを詳しく確認し、医師と相談したうえで診断書の作成に移ります。
後遺障害等級の申請では医師によって作成された診断書が必要となるので、症状固定となった場合にはすみやかに作成してもらいましょう。
症状固定となり後遺障害等級の認定を申請する際は、以下の書類を揃えておくとスムーズに進めることができます。

  • 後遺障害診断書
  • レントゲンやMRIの画像
  • 交通事故証明書または事故発生状況報告書
  • 診療報酬明細または診断書
  • 自賠責保険支払請求書兼支払指図書

後遺障害等級の申請方法と流れ

後遺障害等級について話す医師

後遺障害等級の認定は、いくつかの機構によって行なわれていますが、そのなかでも一般的なのが損害保険料率算出機構に対して行なわれる方法です。
申請方法には2種類あり、事前認定と被害者請求とがあります。
それぞれの違いについては、以下をご覧ください。

事前認定 加害者側の保険会社を通じて行なう方法
被害者請求 被害者自身が行なう方法(被害者が依頼した場合弁護士も含む)

事前認定と被害者請求については、それぞれ申請の流れが異なります。

事前認定の場合の流れ

被害者が任意保険会社(加害者側)に申請をし、任意保険会社は自賠責保険会社(加害者側)に請求を行ないます。
その後、損害保険料率算出機構に書類を提出し、然るべき認定を受けるという流れになっています。
事前認定は被害者に手間がかからないというメリットがある一方で、後遺障害等級の認定に関わってくる書類を作成するのが加害者側の保険会社となるため、その内容を確認することができません。
さらに、支払う賠償金が増えてしまうのを避けるため、等級の認定が低くなってしまう恐れがあります。
認定されない、または低く認定されてしまうといったトラブルも起こりがちです。

被害者請求の場合の流れ

続いて、被害者請求の流れについて見ていきます。
被害者が自賠責保険会社(加害者側)に請求を行ない、自賠責保険会社は損害保険料率算出機構に書類を提出します。
被害者請求に関しては、被害者自身が必要な書類を用意するので、後遺障害等級の認定を正しく受けられる可能性が高まります。
提出する書類については弁護士にチェックしてもらうこともでき、結果的に納得のいく後遺障害等級認定と賠償金を受け取ることができるというメリットがあります。
交通事故に詳しい弁護士が対応し書類の準備などもしてくれるため、被害者にとっての負担も少なくて済むでしょう。

後遺障害等級の決め方

後遺障害等級は、1~14級までと細かく等級が分かれています。
そこで、どのように等級が認定されていくのか、等級の決め方について解説します。

  1. 後遺障害が身体のどの部位に残っているかで等級を分類
  2. 障害が脚を切断するといった物理的なものか、脚が動かないといった機能的なものかで分類
  3. 障害によって労働能力にどのような影響を及ぼすかを検討し、1~14級のなかで適した等級を認定する

上記のような流れで後遺障害等級は認定されます。
この認定を行なう際、併合、加重、準用と3つの基準に沿って認定されるのも特徴です。

併合 種類の異なる障害が2つ以上残った場合、原則として重いほうの等級によるというものです。併合によって等級が繰り上がるとき、例外やルールがいくつかあるのも特徴です。
加重 すでに障害があり、交通事故によってその障害が重くなったときのことを指します。事故後の等級から事故前の等級を引いた差額を適用するという決まりがあります。
準用 障害等級表に記載されていない障害である場合、その障害の内容などから適切な等級を決定します。記載されていない障害とは、たとえば味覚や嗅覚の喪失などが挙げられます。

 

後遺障害等級が認定されるまでの期間

後遺障害等級の認定を受けるためには、手順を踏んで書類を作成し提出する必要があります。
無事に資料を提出し申請を終えたら、次にどれくらいの期間で等級の結果がわかるのかが気になるところです。
後遺障害等級の認定に関する結果がわかるまでの期間は、どの方法で申請したか、また後遺障害の内容などによって異なります。
一般的にみると、1ヵ月~半年と期間に幅があります。

 

後遺障害等級の慰謝料額について

交通事故に遭い後遺障害が残ってしまった、これから仕事や生活をどうしていったらいいかわからないといったときに頼りになるのが、後遺障害等級にて決定される慰謝料です。
等級が上がるにつれて慰謝料の額は大きくなります。
また、どの算定基準を採用するかによっても慰謝料の額は変わってくるため、確認しておきましょう。

後遺障害等級の慰謝料額は3つの算定基準によって異なる

まず、算定基準によって後遺障害等級の慰謝料額が変わってくる点に注意が必要です。

自賠責基準 加害者側の自賠責保険から支払われるもので、算定基準は最低限の金額となる
任意保険基準 加害者側の任意保険が参考にする基準で、自賠責基準と同じくらいか少し高額になる程度
弁護士基準 弁護士や裁判所が参考にする基準で、過去の例に基づき金額が決定されており、もっとも高額

後遺障害等級の慰謝料額

どの基準で算定されるかによって異なる後遺障害等級の慰謝料ですが、等級によって金額が異なる点も理解しておきたいです。
ここでは、最も高い額となっている弁護士基準をもとに具体的な慰謝料額を記していきます。

1級(要介護) 2,800万円
2級(要介護) 2,370万円
1級 2,800万円
2級 2,370万円
3級 1,990万円
4級 1,670万円
5級 1,400万円
6級 1,180万円
7級 1,000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

認定される等級によって大きく額が異なること、また少しでも交通事故後の生活を保障してもらうためには弁護士基準の算定額が頼りになることがわかります。

 

後遺障害等級の認定結果に納得がいかないとき

後遺障害等級の認定を受けたものの、その内容に納得がいかないというときもあります。
結果に納得がいかないとき後遺障害等級の認定結果に対して、異議の申し立てが可能です。
どのようなときに認定結果を争うべきか、また異議を申し立てるときの具体的な方法について説明します。

後遺障害等級の認定結果について争うべきケース

後遺障害等級について争う被害者

後遺障害等級の認定は、一度認定されたものを覆すことが難しいとされています。
しかし、被害者にとって納得のいかない結果になった場合、適切に対処して認定結果が正しいかどうか問いただすことも可能です。
たとえば、以下の場合においては認定結果に関して争うべきといえます。

  • 事前認定の際に提出書類に不足があった
  • 後遺障害診断書に記載漏れがあった
  • 検査結果にて新たな症状が判明した

上記3つのような事態であれば、後遺障害等級の認定について異議の申し立てが可能です。
認定結果が変わる可能性があるので、納得のいく結果になるよう手続きを進めていきましょう。

後遺障害等級の認定について争うときの流れや方法とは

後遺障害等級の認定結果に納得がいかないとき、異議申し立てを行ない再度認定結果について考えてもらう必要があります。
そこで、認定結果を争う際にどのような方法があるのか確認しておきましょう。

  • 異議申立書を提出する
  • 紛争処理制度を利用する
  • 民事裁判での訴訟を検討する

3つの方法について、さらに詳しく解説します。

異議申立書を提出する

後遺障害等級の認定に関して争う際最も一般的な方法となっているのが、この異議申立書の提出です。
事前認定で手続きを進めた場合は加害者側の保険会社へ、被害者請求で進めた場合は自賠責保険会社(加害者側)へ異議申立書を提出します。
異議申立書が提出された場合、保険会社だけでなく外部の専門家も加わり改めて審査が行なわれます。
この異議申立ては賠償金などの時効が来ない限り何回でも行なうことができ、また費用もかかりません。
異議申立てを行なうときは、認定が変わる可能性のある確かな根拠を示すことが必要です。
そのためには、新たに症状固定として診断された医学的な資料を用意しておきましょう。

紛争処理制度を利用する

続いて、紛争処理制度の利用について詳しく見ていきます。
被害者と保険会社との間で保険金に関するトラブルが起きたとき、自賠責保険会社や共済紛争処理機構といった第三者によって、再度書面審査を申し立てるといったものです。
異議申立てと同じく費用はかからないものの、書面にて医学的な資料を提出する必要が出てきます。

民事裁判での訴訟を検討する

後遺障害等級の認定を争うには、民事裁判で訴訟を行なう方法もあります。
後遺障害等級の認定に関する異議申立ては、自賠責保険や共済紛争処理機構に対しては行なうことができません。
異議申立てができるのは、損害保険料率算出機構が行なった等級認定に対してのみとなっています。
このような場合に認定結果に納得がいかないということであれば、民事裁判にて争うこととになります。
裁判では、裁判所独自の視点から等級を判断します。
改めて別の場で検討してもらえる機会にはなりますが、費用や時間などがかかるのが難点です。

 

交通事故の後遺障害等級に関しては弁護士に相談を

後遺障害等級について弁護士に相談

交通事故に遭ったあと、治療を続けたものの症状が改善されず症状固定となってしまうことがあります。
仕事や生活に支障をきたすことから後遺障害等級の認定を申請でき、その方法や流れ、納得いかない場合の争い方などについて知識を得ておくことが大切です。
納得のいく認定結果になるようにしたい、認定結果に対して異議申立てを行ないたいといった場合は交通事故に詳しい弁護士がサポートします。
後遺障害等級の認定に関して不安を抱えている人は、ぜひ一度弁護士に相談することをおすすめします。

【当事務所の交通事故サポート】

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