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死亡事故の賠償内容にはどんな種類がある?賠償手続きの方法を解説

死亡事故の賠償内容にはどんな種類がある?賠償手続きの方法を解説

いつどこで起きるかわからない交通事故、事故の衝撃の大きさなどから死亡事故となってしまうことがあります。
一瞬で大切な人の命が奪われ、遺族にとっては計り知れない悲しみでしょう。
亡くなった人は戻ってきませんが、せめて交通事故の償いをしてほしいと願う遺族が多いです。
今回は、死亡事故が起きてしまったときの慰謝料について、詳しく解説します。
誰が受け取ることになるのか、金額の詳細や賠償金の種類、手続きの流れなどについてみていきます。

死亡事故の場合の慰謝料について

死亡事故の場合の慰謝料について

死亡事故が起きた場合、慰謝料の問題へと話が進展していきます。
精神的苦痛に対して支払われる賠償金のことを慰謝料と言い、なかでも死亡事故には2種類の慰謝料があります。
1つは被害者本人への慰謝料、もう1つは遺族への慰謝料です。
交通事故で亡くなった人に対しての慰謝料は、遺族が請求し受け取ることができます。
遺族への慰謝料については、大切な家族を失った悲しみや精神的苦痛に対して支払われるものです。

死亡事故の慰謝料を受け取れる人

死亡事故の慰謝料は被害者本人に対してと、残された家族に対しての2種類があり、それぞれ受け取れる人が異なることを知っておく必要があります。
2つの場合に分けて、誰が慰謝料を受け取ることができるのかを見てみましょう。

被害者本人の慰謝料を受け取ることができる人

交通事故で亡くなった人に対して発生する慰謝料は、被害者の相続人に当たる人が受け取れます。
どのように慰謝料を分けるかは法律で決められており、子供があるかないかで配偶者への配分が変わってきます。

被害者の相続人配分
配偶者あり子供ありの場合配偶者へ2分の1、子供へ2分の1(子供が複数いる場合は子供への配分を均等に分ける)
配偶者あり子供なしの場合配偶者へ3分の2、直径尊属(父母・祖父母など)へ3分の1
配偶者あり子供なし、直系尊属なしの場合配偶者へ4分の3、兄弟姉妹へ4分の1
配偶者あり子供なし、直系尊属なし、兄弟姉妹なしの場合全額、配偶者へ

子供があるかないか、さらに直系尊属や兄弟姉妹の有無などによって慰謝料の配分は大きく変わります。
合計の慰謝料額から法律で決められている分配方法に基づいて計算され、出た数字が遺族に支払われるという仕組みです。

遺族への慰謝料を受け取ることができる人

続いて、遺族へ支払われる慰謝料は誰が受け取ることができるのかを見てみましょう。
遺族固有の慰謝料については、請求できる人が限られています。
被害者の両親、配偶者、子供が請求できるようになっています。
被害者本人へ支払われる慰謝料については遺族への分配が決められていましたが、遺族への慰謝料に関しては特に基準は設けられていません。
遺族の間で話し合って、遺族全員が納得する形で配分することになります。

死亡事故の慰謝料を増額できるケース

予期せぬときに起きる交通事故、急なことで家族にとっては心の整理がつかないでしょう。
いくらたくさんのお金をもらっても大切な人は帰ってこない・・・と絶望感や喪失感ばかりが募ってしまうことと思います。
しかし、被害者本人の精神的苦痛とこれからの家族の生活を成り立たせるためにも、適切な慰謝料を受け取るべきです。
少しでも生活を保障してもらえるよう、遺族にとって慰謝料は多い方が助かるのも現状です。
そこで、死亡事故の慰謝料を増額できるケースについて、いくつか記します。

加害者に重大な過失があったとき

死亡事故が発生したとき、加害者に重大な過失があったかどうかを検証します。
その内容によって慰謝料を増額できる場合もあります。
以下のような重大な過失であった際には、慰謝料増額の可能性が出てきます。

  • 無免許運転
  • 飲酒運転
  • 信号無視
  • ひき逃げ
  • スピード違反
  • 薬物などの利用によって正常に運転できない状態であった
  • 被害者のことを悪く言った

加害者の態度が著しく不誠実

被害者が亡くなったにも関わらず、加害者の態度が不誠実で反省が見られないとき、被害者と遺族への精神的苦痛は大きくなります。
ここから、慰謝料の増額が可能となるケースがあります。
たとえば、以下のような場合、加害者の不誠実な面、被害者への精神的苦痛から慰謝料の増額が考えられます。

  • 事故の証拠を隠蔽した
  • 嘘の供述などで事故の責任を認めない

被害者に特別な損害が発生した場合

死亡事故の慰謝料が増額するケースは、被害者に特別な損害が発生した場合も該当します。
特別な損害とは、具体的に以下のようなことを指します。

  • 被害者が子供で幼すぎる
  • 被害者が妊娠中で、胎児も死亡してしまった
  • 被害者の家族が精神疾患になってしまった

死亡事故で実際に慰謝料が増額した例

死亡事故による慰謝料や賠償金は、加害者の態度や遺族の思い、事故の重さなどから適切な金額を決めていきます。
ここでは、死亡事故で実際に慰謝料が増額した例をご紹介します。

ケース1

死亡した被害者は、30歳の男性でした。
交差点を歩いているときに無免許飲酒運転の車にひかれ、約3mも引きずられました。
引きずられるなかで命を落とした男性のことを思い、死亡慰謝料は基準額である2,800万円を上回る4,000万円と決定しました。
加害者が非常に悪質であることから慰謝料の増額が検討され、被害者本人へ3,500万円、近親者に500万円という配分の合計4,000万円となりました。

ケース2

60歳の男性が高速道路を走行中、飲酒運転をしていた加害者が逆走してきて衝突され亡くなったという事故では、裁判所にて加害者に反省の様子が見られず、悪質な事故であるということから慰謝料基準額2,800万円を超える3,600万円の慰謝料が決まりました。
事故の内容、加害者の状態から、適切に判断された結果といえます。

死亡事故が起きたとき、慰謝料以外に受け取れる賠償金の種類

死亡事故が起きたとき、慰謝料以外に受け取れる賠償金の種類

死亡事故では、被害者とその遺族に対して慰謝料が支払われます。
この慰謝料の他にも受け取れる賠償金があり、今後の生活を保障してもらうためにもきちんと受け取っておきたいです。
ここでは、死亡事故によって、慰謝料以外に受け取れる賠償金の種類について説明します。

逸失利益

逸失利益とは、本来得られたであろう収入のことを指します。
急な死亡事故が起きると、被害者本人は働きたくても働くことができません。
そして、元気に過ごしていた場合得られたはずである収入があります。
この逸失利益は、死亡時から67歳までの間に得られたであろう収入の総額から生活費を引いたものとします。
ここに前倒しで受け取れる利益を控除した金額が、逸失利益の合計金額です。
以下の計算式をもとに、逸失利益を算出します。

基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対するライプニッツ係数

基礎収入額は賃金センサス(賃金構造基本統計調査)を元に算出され、生活費控除率は被害者の立場によって変わってきます。
就労可能年数については事故発生から何年間労働できるかを計算したものです。
67歳まで働くとした場合で計算します。
被害者の年齢や就労の有無によって計算方法が異なるのが特徴です。
計算によって出された労働能力喪失期間によってライプニッツ係数を確認し、逸失利益の計算式にあてはめます。

葬儀関係の費用

死亡事故によって亡くなった被害者のため、遺族は葬儀を執り行う必要があります。
慰謝料以外に受け取れる賠償金のなかには葬儀関係の費用も含まれ、通夜や祭壇、火葬、墓石などにかかる費用を遺族が請求することができるのです。
弁護士基準であれば150万円、自賠責保険基準であれば100万円といった賠償金を請求できます。
予期せぬ死亡事故で大切な人を亡くしたとき、急なことで葬儀に関するまとまった費用に困ってしまうこともあります。
安心して葬儀を執り行えるよう、葬儀関係の費用も賠償金の一つとして請求が可能です。

入通院に関する慰謝料

被害者が死亡する前、病院で診察や通院、入院などをしていたときに請求できる賠償金がこちらの慰謝料です。
遺族が請求できる慰謝料になり、どの基準で計算されるかによって詳しい額面は異なります。
最も高額であるとされる弁護士基準では、通院と入院との期間によって表にてまとめられています。

治療費や交通費など

被害者が死亡する前病院にかかっていた場合、治療費や入院費、交通費などを実費で請求することができます。
請求できる権利は遺族にあり、病院にかかった日数や費用を細かく計算しておくことで、後にきちんと請求できます。

休業損害

被害者が死亡する前に治療のため仕事を休んだというとき、収入も減ってしまいます。
その減ってしまった収入を遺族が請求できるのが、休業損害です。
弁護士基準で考える場合、減った分の収入をそのまま請求することが可能です。

死亡事故による賠償内容は、1つに留まりません。
被害者と遺族のことを思い、少しでも負担を軽くするため、様々な賠償金が用意されています。

死亡事故の慰謝料、賠償金手続きの流れについて

死亡事故の慰謝料、賠償金手続きの流れについて

死亡事故によって大切な家族を失ったとき、整理がつかず、何からすべきか途方に暮れてしまうでしょう。
死亡事故によって受け取れる慰謝料の他、いくつかの賠償金を請求することも可能です。
では、実際にはどのように賠償金を請求すれば良いのか、その流れについて詳しくみていきます。

死亡事故発生から、賠償金手続きまでの流れ

死亡事故発生から賠償金請求までの流れは、次のようになっています。

交通事故発生

入院、治療

死亡

通夜や葬儀

四十九日の法要

示談交渉

示談が成立した場合は賠償金の支払いへ
示談がうまくいかなった場合は、裁判などに進み賠償金の決定と支払いへ

遺族が請求できる賠償金の一つに葬儀関係の費用も含まれていましたが、四十九日の法要までの費用を請求することができるため、示談交渉へ移るのは四十九日の法要を終えてからにしましょう。
また、示談交渉は、損害額のすべてが確定してから始めることも大切です。
示談交渉が成立した場合は、合意後に示談書が届きます。
この示談書に署名と捺印をし、加害者側の任意保険会社に返送します。
その後、10日から2週間程度で賠償金が振り込まれます。

示談交渉までに遺族がしておくべきこと

交通事故の発生から示談交渉、成立、賠償金の支払いまでは、事実に基づき誤りのないよう進めるべきです。
そこで、示談交渉までに遺族がしておくべきことにも注目することが大切です。
以下の点について、示談交渉までに確認しておきましょう。

  • 死亡慰謝料額の計算、適切であるかどうかの確認
  • 死亡事故により発生した損害を証明する書類を揃えておく(龍収書など)
  • 弁護士に示談交渉の依頼をしておく
  • 誰が弁護士とやり取りをするか話し合う
  • 合意できる示談金を遺族の間で決めておく

交通事故のなかでも最も大きいといえる死亡事故は、遺族にとって納得のいく形で慰謝料をはじめとした賠償金を請求したいです。
しかし、加害者側の対応や保険会社とのやり取りで、示談交渉が思うように進まないときもあります。
そんなときは、交通事故に詳しい弁護士に相談するのが良いでしょう。
法律の専門家が事故の状況や資料などをもとに、受け取れる賠償金を計算していきます。
慰謝料の計算や証拠を集めるといった作業も弁護士に依頼できるため、被害者と遺族が安心できるような結果へと導くことができるでしょう。

事故後、すぐに示談をしてはいけない理由について

大切な人が交通事故によって亡くなった、しばらくはその事実を受け止めるのが難しいでしょう。
それと同時に、少しでも早く痛ましい事故のことを忘れたい、亡くなった人のことを思い出すと辛いという遺族も多いはずです。
しかし、事故後すぐに示談をするのは控えましょう。
その理由は、加害者の量刑が軽くなってしまうからです。
死亡事故が起きた場合、刑事手続き、民事手続き、行政手続きの3つを同時に進めていきます。
警察による刑事手続きが終了すると検察官により加害者を起訴するかどうか決定され、起訴された場合は刑事裁判へと移ります。
この刑事裁判よりも前に示談が成立していたとしたら、加害者は法廷にて示談が成立していると主張する可能性が高いです。
このような流れから、加害者の量刑が軽くなってしまうことがあるのです。

死亡事故の賠償金に関する疑問について

死亡事故の賠償金に関する疑問について

死亡事故は、事故状況から被害者や遺族の気持ちを考え、適切な賠償金を受け取れるようにすべきです。
遺族がすべき手続き、賠償金の種類などを確認しながら進めていくなかで、疑問が生じることもあります。
ここでは、死亡事故の賠償金に関する疑問についてまとめました。

死亡事故の慰謝料に相続税はかかる?

死亡事故によって遺族が受け取る慰謝料に関して、原則としてや所得税はかかりません。
これは慰謝料だけでなく他の賠償金についても当てはまります。
一方、課税の対象となるケースもあるため確認しておきましょう。
以下の場合、賠償金が収入とみなされ課税対象になることがあります。

  • 自損事故保険の死亡保険金
  • 人身傷害保険の被害者の過失割合部分
  • 搭乗者傷害保険の死亡保険金

生活保護の受給者が死亡慰謝料を受け取ることはできるのか

生活保護受給者が保険金を受け取った場合、死亡事故の慰謝料に限らず事故後に受け取った保護費を福祉事務所の方へ返還する必要があります。
遺族の精神的苦痛やその後の生活の保障のために支払われる慰謝料をはじめとした賠償金ですが、生活保護受給者にとっては一時的な収入とみなされてしまうのです。
その結果、返還を求められます。
しかし、受け取った保護費を全額返還しなければならないという決まりはなく、将来のことを見据えて返還する金額が決定されるようになっています。

損害賠償を請求するのには時効がある?

死亡事故が発生したとき、亡くなった人の法要を終えてから保険会社との示談へ進みます。
後遺障害が残り等級の認定を申請する場合と比べ、死亡事故の場合は損害額が早い段階で決定されます。
そんななか、保険会社から提示される損害賠償額に納得がいかないと感じる遺族も多いです。
示談を進めながら、最終的にうなずける金額を支払ってもらいたいと考える遺族も多いでしょう。
そのとき、損害賠償の請求には時効があることを忘れないようにしてください。
時効を過ぎると、請求することができなくなってしまいます。
損害賠償の請求に関する時効は、損害および加害者を知ったときから物損については3年、人身損害部分については5年となっています。
損害内容や加害者がわからないといった場合も、事故のあった日から20年が経過したところで時効を迎えます。

死亡事故の賠償内容については専門の弁護士にご相談ください。

ある日突然大切な人を失う悲しみは、遺族にとって多大な喪失感を与えます。
精神的苦痛は大きく、当事者にしかわからない部分もあります。
それでも前を向いて進んでいかなければならず、被害者が報われるよう、遺族が賠償内容に関してしっかり取り組んでいく必要があります。
慰謝料をはじめとした損害賠償については、金額が妥当かわからない、専門家に相談したうえで的確に進めていきたいと考える遺族が多いでしょう。
そんなときは、交通事故に詳しい弁護士にご相談ください。遺族の方が納得のできる形で賠償内容を決定できるよう、全力で協力いたします。

当事務所の交通事故サポート

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この記事の監修者

大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
死亡事故による賠償手続きのことでお困りごとがございましたら、どんな些細なことでもかまいませんので、一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。