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親権争いで母親が負けることはある?具体例や親権を得るために母親ができることについて

親権争いで母親が負けることはある?具体例や親権を得るために母親ができることについて

夫婦の関係に亀裂が入ると、子供がいる場合でも離婚を選択するケースが多いです。
そのとき問題になるのが、子供の親権です。
どちらが子供を育てるか、様々な観点から判断していくことが必要となります。
一般的に母親に親権がわたる場合が多い今、親権争いで母親が負けることはあるのでしょうか?
その具体例や親権を決めるうえでどんな点が重要視されるのかといったことについて、詳しく解説します。

親権争いで母親が負けるときとは?

父親と母親のどちらが子供を引き取るかという親権問題、離婚調停の場で争いになる場合もあります。
母親が親権を得るケースが多いなか、親権が父親にわたることもあります。
では、どんなときに母親が親権争いで負けてしまうのでしょうか?

母親が育児放棄や虐待をしているとき

母親が育児放棄や虐待をしているとき

母親が育児放棄や虐待をしている場合、親権は父親にわたる可能性が高くなります。
子供をたたくなど身体的な虐待から怒鳴りつけたり暴言を吐くなどの精神的虐待などが含まれ、親権は認められません。
虐待だけでなく、育児放棄している場合も、子供をきちんと育てることができないとみなされ、親権を得るのは難しくなります。

母親が家出をした

子供を残して母親が家出したとき、育児放棄をし、父親に子供の世話を任せたということになるため親権問題においては負ける確率が高まります。
調停の場でどれだけ子供と関わってきたかを証明することが求められるときに、家出をしたという事実があるのはよくありません。
子供を引き取りたいと伝えても、そう簡単に親権を決めることは難しくなります。

母親が精神疾患を患っているとき

母親がうつ病である、もしくはうつ状態の症状が現れているときにも、親権は父親にわたるケースが多いです。
育児に支障が出るとみなされるからです。
精神疾患を患っていても最低限の育児ができる場合、この限りではありません。
精神疾患の状態によって、親権問題で負けることがあるという点を覚えておきましょう。

子供が父親と暮らしたがっているとき

離婚時の親権問題については、子供の意見もしっかりと反映されます。
小学生くらいになると自分の思いを主張できるようになるため、お父さんと一緒に暮らしたい、今の学校を転校するのは嫌だと言う場合もあります。
この場合は子供の意思が尊重されるため、親権は父親にわたることになります。

父親に育児を任せており、離婚時に子供が父親と暮らしている場合

育児を父親にまかせっきりの場合や、離婚時に子供が父親と暮らしている場合にも母親が親権争いで負ける可能性が高くなってしまいます。
離婚調停にて親権問題を話し合うとき、今までどれだけ子供と関わってきたかという点が重要視されるなか、育児をしていないとなると親権問題で負けてしまう確率が高まります。
保育園の送り迎えや子供の食事などを父親が行なっている場合、実績のある父親の方が有利になるのです。

子供の成長や教育に悪影響の恐れがある

母親の日ごろの様子が子供の成長や教育に悪影響があるとみなされると、親権争いで負けてしまいます。
酒癖が悪く暴れることがある、ギャンブル中毒である、多額の借金を抱えているといった状況である場合、子供を育てるのに適していないと判断されるからです。
いろいろなことを敏感に感じ取る子供にとって悪影響を与えるため、親権は父親にわたり、母親は負けることになります。

育児に協力してくれる人が周りにいない

離婚後、いわゆるワンオペ育児になってしまい周りに頼れる人がいない場合、また父親側の祖父母が近くで支えられるという場合も母親が親権争いで負けてしまう可能性が高いです。
母親の両親は遠くに住んでいる、近所づきあいをあまりしていないので信頼できる人がいない・・・などの状況を踏まえたうえで、親権が父親にわたることになるのです。
このような場合も、母親が負ける可能性が出てきます。

親権の決定で重要視されるポイント

親権の決定で重要視されるポイント

親権争いで母親が負けてしまうケースを見てきましたが、親権を決定するうえでは様々な点に目を向けながら総合的に判断することが大切であるとわかります。
そこで今一度、離婚調停で親権を決定するうえで重要視されるポイントについて確認しておきましょう。

監護の実績と継続性

親権問題において、これまでどのように子供と関わってきたかという監護の実績と、これからも一緒に安定して暮らしていけるかどうかという継続性について判断します。
子供のことを第一に考え、どの方法がベストなのかを考えることが大切です。
そのうえで、今まで子供と長い時間一緒に過ごし育ててきた人の方が、親権においては有利になります。

子供の意思尊重や兄弟を引き離さないようにする

父親と母親のどちらに親権を与えるかという話し合いを行なうとき、子供の意思も尊重する必要があります。
子供自身はどちらと一緒にいたいと思っているのか、親が離婚するにあたって悩んでいることはないかなどをしっかりと聞きとっていき、子供の思いを尊重したうえで、親権を決めていくことになります。
また、兄弟がいる場合、原則として離れ離れにならないよう配慮して親権を決めることが重要です。
一人で不安なときにも、兄弟がいることで安心できる場合があります。
母親が親権を得たいと考えるとき、兄弟のお世話をしっかりできるかも考えてみましょう。

母親優先だが父親が親権者になることもある

一般的に、生まれたときから一緒にいる母親と子供を離さないよう、母親が優先されるのが親権です。
とくに子供が乳幼児のうちは、母親の存在がかかせません。
そんななか、最近では育児に積極的な父親も増えています。
共働き世帯が増え、夫婦で協力して子供の世話をしようという背景も見られます。
このような流れから、より心理的な結びつきが強い方に親権がわたるという考え方に変わってきました。

育児をサポートしてくれる存在の有無

基本的には親権者が子供を育てていく必要がありますが、体調不良や病気による入院、仕事などの関係で子供のお世話ができなくなることもあります。
そんなとき、身近に育児をサポートしてくれる存在があるかどうかも重要なポイントとなるので知っておきましょう。
祖父母が住んでいる場所は近いのかや助けてもらえるのかといった点にも注目しながら、夫婦のどちらに親権を与えるべきか判断していきます。

【合わせて読みたい記事】

親権の決め方とは?知っておきたい親権者になるためのポイント

母親が親権を得るためにできることとは

母親が親権を得るためにできることとは

どうしても子供は自分が育てたい、親権は取りたいと考えるとき、具体的にできることとは何があるのでしょうか?
父親より母親の方が親権を得やすいとされていますが、さらに得やすくするために以下の点を意識していくと良いです。

  • これまで、現在、これからにおいて子供をしっかり監護する
  • 生活環境に大きな変化はないか
  • 兄弟が離ればなれにならないか
  • 祖父母や親せきなど身近に助けてくれる人がいるか
  • 面会交流にもきちんと応じることができるか
  • 子供を育て上げていく経済力があるか
  • 子供本人が母親と一緒にいることを望んでいるか
  • 子供に愛情を持って接している
  • 育児のために時間を割くことができるかどうか

このようなポイントをしっかり満たすことができれば、より確実に母親が親権を得ることができるでしょう。
どれだけ子供と関わってきたか、これからどのような生活を考えているのかを明らかにできると、調停の場でも話がスムーズに進んでいきます。
一方、親権を得たいというときにしてはいけないこともあるので少し触れておきましょう。

親権獲得の際にしてはいけないこと

  • 子供の前で父親の悪口を言う
  • 子供の意思を誘導するようなことを言う
  • 母親のそのときの気分で面会を拒絶する

子供を第一に考えながら決めていく親権、子供に悪影響とならないよう注意すべきことがある点もしっかり理解しておきましょう。

母親の親権に関するQ&A

母親の親権に関するQ&A

いざ離婚や調停となると、どのように親権について話し合っていくのか気になる、いろいろと不安なことがあると感じる人がほとんどでしょう。
そこで、よくある質問についてまとめてみました。
親権に関して疑問を抱えている人は参考にしてみてください。

Q 専業主婦であっても親権は得られる?

A 専業主婦であっても親権が認められる場合は大いにあります。

子供と接する時間がきちんとあり、愛情を持って接しているということであれば子供にとって居心地の良い、安心できる場所となります。
経済力がネックになってくるように思われる親権問題ですが、決め手は決してそれだけではないのです。

Q 母親が不貞していた場合は不利になる?

A 母親の不貞が原因で離婚となった場合、そんな人に子供を任せられないと感じる人がほとんどでしょう。

しかし、実際のところ、親権を決めていく際にはあまり関係がありません。
子供に直接的に影響がなければ問題にならないのです。
子供の生活に支障をきたすような行為をしているとなれば話は変わってきますが、不貞していたから親権は取れないというわけではないのです。

親権争いは母親が負けることもあるが、状況を変えていくことはできる

親権問題において一般的に有利とされる母親ですが、いくつかの例を見ると負けることもあります。
しかし、状況を変えていくことはでき、子供のことを第一に考えて親権について話し合っていくことが大切です。
子供が幸せに暮らせるよう、最善を尽くしてみましょう。

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この記事の監修者

大阪市の弁護士「阪倉篤史」

阪倉 篤史 弁護士

大阪市にある西横堀総合法律事務所、代表弁護士の阪倉 篤史です。
「日本一話しやすい弁護士」を目指して、日々研鑽に努めております。
母親の親権のことでお困りごとがございましたら、どんな些細なことでもかまいませんので、一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。