法律に関するコラム

子どもの貧困状況

SDGs

2015年9月、国連でSDGsが採択されました。SDGsは持続可能な開発目標の略称であり、2030年までに全世界で達成するべき目標(ゴール)が17個掲げられています。
SDGsへの取組は徐々に日本国内にも浸透してきており、今後、企業活動をする上でも重要な概念となってきています。私も、一般社団法人SDGs推進士業協会(https://sdgs-samurai.or.jp/)という団体の理事として日々、会社経営者や従業員、一般市民の方々への普及活動に努めておりますが、今回はそういうことは置いておいて・・

日本における貧困

SDGsの掲げる目標(ゴール)のうち、その1番目に掲げられているのが、「貧困をなくそう」という目標(ゴール)で、国連で採択されたアジェンダ(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf)でも、「あらゆる形態と側面の貧困を撲滅することが最大の地球規模の課題」であるとしています。
貧困というと、日本とはあまり関係ないぞと思われる方が多いと思います。しかし、貧困には、絶対的貧困と相対的貧困があります。絶対的貧困とは、食料や衣類など人間らしい生活の必要最低条件の基準が満たされていない状態、相対的貧困とは、国や社会、地域など一定の母数の大多数より貧しい状態をいいます。実は日本では、17歳以下の子どもの6あるいは7人に1人がこの相対的貧困にあたり、これはOECD加盟国の中でも最低水準です。

貧困世帯

そして、このような相対的貧困に陥っている世帯のうち、ひとり親世帯が圧倒的に多い状況です。ひとり親世帯になる原因は、離婚だったり、事故で片親を亡くした場合だったり、様々です。
貧困がだめなわけではありません。お金がなくても心豊かに生きれればいいんです。でも、家庭が貧困であると、子どもは「なぜ自分だけお金がないことで○○ができないんだ」といった精神的ダメージを受けることがあります。また、子どもの時代に十分な学習や発達がかなわないと、大人になっても苦労を強いてしまう可能性も十分に考えられるわけです。そして、親から子への「貧困の連鎖」が起きうる可能性もあるのです。

貧困対策

このような状況を受けて、平成25年6月、子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立し、平成26年1月17日に施行されました。
同法の目的は、「子どもの現在及び将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないよう、全ての子どもが心身ともに健やかに育成され、及びその教育の機会均等が保障され、子ども一人一人が夢や希望を持つことができるようにする」(同法1条)と定められています。
この法律によって、国及び地方公共団体は、①教育支援、②生活支援、③保護者に対する就労支援、④経済的支援、⑤調査研究について施策を講じる必要があります。
しかし、本法では、貧困率改善の数値目標が定められておらず、その実効性に懐疑的な意見もあります。

今後

SDGsの掲げる17個の目標のうち、1番目の目標(ゴール)は、「貧困をなくそう」でした。では17番目の目標はというと「パートナーシップで目標を達成しよう」というものです。SDGsはすべての目標に関して、官民連携して、あるいは、異業種多業種が連携をしあって、すなわちみんなで協力しあって目標を解決することを掲げています。
貧困に関する問題についても、孤立、病気や精神疾患など様々な要因が重なり合って生じています。そして、貧困からも、子どもの虐待、ネグレクト、少年犯罪の発生などこれまた種々の問題が発生しています。
弊所では、このような背景事情から、遺児の保護とその後の事実上のケアや、シングル家庭の力になりうる事業の展開、少年事件を起こした少年の矯正援助など、弁護士の本来的業務にとどまらず、広く様々な方々とパートナーシップをとって、多方面の展開を考えています。
今後、弊所のホームページに色々な矢を打っていきますので、ぜひチェックしてください。